beacon

1つのプレーが明暗分け、神戸が総崩れ

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.11 J1第5節 横浜FM5-0神戸 ニッパ球]

 ヴィッセル神戸が11日、今季最大の5失点で横浜F・マリノスに屈辱の大敗を喫した。試合後、守備の中心を担ったDF宮本恒靖をはじめとした選手たちは「今日(喋れること)は何もない」と言わんばかりに下を向いた。

 「出だしが悪かった。開始直後のゴールでリズムを崩し、CKから大きなチャンスがあったがそれを活かせず、カウンターから崩された」。試合後カイオ・ジュニオール監督は大量失点の原因をそう分析した。ゲームの明暗を分けたプレーは前半17分だった。神戸は試合開始2分にFW渡邉千真のゴールで先制点をとられたものの、その後15分くらいまでは主導権の握り合いで互角の攻防を展開していた。同17分にゴール前右からシュートを放ったDF石櫃洋祐がCKを得ると、決定的な場面を迎える。右CKからMFボッティがクロスを入れるとFW我那覇和樹が体勢を崩しながらもシュート。これをGK榎本哲也が弾き、更にDF河本裕之がヘディングシュート。しかし榎本の必死の守備の前に得点は奪えなかった。その直後、ゴールキックからのカウンターアタックでFW山瀬功治にゴールを決められ0-2とされると、その3分後にも渡邉に加点され、一気に勝利の女神から見放された。後半も前半同様に守備面のミスが相次ぎ総崩れ。結局0-5で敗戦した。

 勝利したマリノスの木村浩吉監督も、「前半途中までどちらに転がってもおかしくない試合だった。でもあのCKで榎本が阻止し、チーム全体で耐えたのが大きい」。前半17分の一つのプレーが試合の流れを大きく変えることとなった。宮本も「確かにあのプレーで試合の流れが変わってしまった。今日の敗戦はチームにとっていい薬となる」と反省。宮本はJリーグ通算300試合出場となった記念すべきこの試合で、忘れることのできない屈辱の5失点となった。神戸は、次節・大分トリニータ戦までに対策を講じる必要がある。

(取材・文 山口雄人)

TOP