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広島・殊勲アシストの李忠成「フランサが舞い降りた」

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 スコアレスドローに終わるかと思われた後半43分。途中出場の李忠成名古屋グランパスのワンボランチと対峙しながらボールを持つと、シュートを打つと見せかけて前線にフワリとパスを送った。

 左サイドに走り込んだのは佐藤寿人。バラバラになっていた名古屋のDFラインの裏を突き、オフサイドぎりぎりで足元に収めると、GKを見るや否や左足を一閃。角度のないシュートが日本代表GK楢崎正剛の股間を抜けて右隅に決まると、雨にも負けず声を出し続けていた紫色のスタンドが沸き上がった。

 リーグ4試合ぶりの勝利はサンフレッチェ広島にとって今季ホーム初勝利であり、ホームでの対名古屋戦で10年ぶりの勝利。ACLと並行しながらの苦しい戦いで得た勝ち点3の味わいはまさに格別だ。

 「チュンソンから、シュートをしてくれという、いいパスが来た」と佐藤がアシストに感謝すれば、李は「シュートを打とうと思ったら寿人さんが見えたので、とっさにパスに切り替えた。フランサが舞い降りました」と会心の笑みを浮かべながら「あの角度から決めるのはすごい」とエースを持ちあげた。

 前戦で、4連覇を狙う鹿島から勝ち点1を挙げたのに続き、この日は3位の名古屋に勝利。これにはペトロビッチ監督も「大きな勝利だ。これで選手が自信を取り戻してくれるだろう」とうれしさを隠しきれない様子だった。

(取材・文・矢内由美子)

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