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闘莉王に決められた今野、「ジャンプしないで体をぶつければよかった」

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[8.8 J1第17節 F東京0-1名古屋 味スタ]
 悔やんでも悔やみきれない。あと1分、いや数十秒・・・。ほんの一瞬で勝ち点を逃した。3分の後半ロスタイムも終わりに近づいたころ、名古屋DF田中マルクス闘莉王に決勝ヘッドを決められた。マークについていたFC東京の日本代表DF今野泰幸は、がっくりと肩を落としてうなだれた。
 「最後、上にクリアするのか、(触って)横に流そうか迷った。悩んだから遅れたわけではないけど、ちょっと遅れた。今思えば、ジャンプしないで体をぶつければよかった・・・」
 F東京にとっては右サイド、名古屋にとっては左サイドでFKを与えた。キッカーは名手・三都主。残り時間を考えれば、普通なら直接放り込んでくるケースだが、三都主はグラウンダーでPA左の金崎夢生に入れた。そして、そのまま猛ダッシュして縦に抜け、リターンからクロスを入れてアシストされた。「あの時間でああいうことをやるのは勇気がいるなと思った」と今野が振り返った通り、想定外の“トリックプレー”で一瞬、対応が遅れてしまった。
 試合内容は前半からF東京が支配し、シュート数も倍の20本を放っていた。内容を分析すれば、攻撃陣の決定力不足が響いて土壇場で“悲劇”を味わった形だが、今野はチームリーダーだけに責任を口にした。
 4勝7分け6敗の12位で、後半戦を迎えることになった。開幕前、城福浩監督は「FC東京がW杯後の主役になる。シーズンの最終節まで優勝争いをする」と高らかに宣言していたが、苦しい状況が続いている。
 今野をはじめ選手たちも、FC東京には上位が狙える力があると信じている。くしくも、W杯帰国会見で「集まれ~!」とモノマネをした“因縁”の闘莉王に決められたことは悔しいが、切り替えて後半戦での巻き返しを目指す。
<写真>F東京DF今野
(取材・文 近藤安弘)

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