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F東京、敗れた中に光明。“元日本代表カルテット”に期待

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[8.8 J1第17節 F東京0-1名古屋 味スタ]
 FC東京は決定力不足に泣いた。4日のスルガ銀行チャンピオンシップでLDUキトをPK戦の末に下してタイトルを奪取。その勢いを活かそうとキト戦で得点したFW平山相太、公式戦5試合ぶりに先発復帰したMF石川直宏を、リーグ戦でともに5試合ぶりに先発させたが、ゴールを決めることはできなかった。
 平山は何度かチャンスがあり、両軍最多の4本のシュートを放ったが、前半18分にクロスバーに弾かれるなど決定力を欠いた。「悪循環になっているわけではないけど、ゴール前でもっと仕掛けないといけない」とうなだれた。3本のシュートを放った石川は「危機感を持って試合に臨んでいた。もう少しシュートまで行く形を作りたい。結果がほしいですね」と悔しさをにじませた。
 ただ、この2人を加えた新布陣が後半戦への“光明”となったことも事実だ。FW大黒将志、FW平山相太、MF羽生直剛、MF石川直宏の“元日本代表カルテット”がそろって、初めて先発起用されたが、これが可能性を感じさせた。
 大黒&平山の2トップ、右MF石川、左MF羽生の前線。平山のポストプレー、大黒の運動量と得点感覚、石川の縦へのスピード、羽生の献身的な動きが合わさり、これがたくさんのチャンスを作った一因となった。攻撃にはこれまでにない迫力があった。
 エースに君臨している大黒もこの組み合わせを評価。「ナオ(石川)が入って、相手のサイドを引っ張り出せれた。ナオがつる動きをしてくれて、その間を動ければよかった。平山はやりやすかった。いいボールを入れて、リターンをもらえるようにしたい」と早くもその活かし方を理解したようで、マッチすれば、さらに攻撃力が上がることを示唆した。
 石川も「試合の中では初めての組み合わせだったけど、もっと連携を良くすれば、攻撃が良くなると思う。続けることが大事になる」と可能性を口にした。そして「ソウタ(平山)がキープしてくれるんで、空いたスペースに入ったり、追い越したりする動きをしたい。距離感を考えてやりたい」と、こちらも“上積み”に向けたイメージができていた。
 前半戦を12位で折り返したことは痛恨だが、元代表カルテットがさらに機能すれば、脅威の攻撃力になることは間違いない。次戦14日は強豪・鹿島との一戦を迎える。石川は「内容も大事だけど、結果がほしい。もっといいサッカーをするためにも結果がほしい。強いチームに勝つことで自信にもなる。チャレンジしたい」と闘志を燃やしていた。
<写真>敗戦に肩を落とすF東京イレブン
(取材・文 近藤安弘)

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