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390分間無得点の浦和、選手からは不満の声も

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[8.2 J1第20節 浦和0-1清水 埼玉]

 浦和レッズのゴール欠乏症は深刻だ。公式戦4試合連続の無得点で4連敗。7月15日のナビスコ杯準々決勝第1戦・清水戦の後半15分以降、390分間無得点と“ゼロ行進”が続いている。

 試合をコントロールしていたのは浦和だった。ボール支配率を高め、細かくパスをつなぐ。後半25分に先制点を許してからは一方的に攻め立てたが、完全に相手を崩し切る場面は少なかった。特に気になるのはシュートの少なさ。押し込んでいたように見えた後半のシュート数はわずか4本。カウンター中心だった清水の5本よりも少なかった。

 MF原口元気は「最後まで崩し切ることに少しこだわりすぎている。(シュートを)打ちたい気持ちもあったけど、中にフリーの選手がいるのが見えてセンタリングに切り替えたりしていた。そういうサッカーを目指してやってきているから、そうなっちゃうというのはあったのかなと思う」とうなだれた。

 ショートパスをつなぎながら連動した攻撃で相手を攻略する。いい時期はそれがはまっていた。しかし、この日は守備ブロックを固めた清水のディフェンスを崩すだけのアイデアも動きもなかった。夏場の連戦で選手の運動量が落ちていることも原因だろう。余計な横パスが増え、攻撃にスピード感もなく、相手にとって怖さのないパスサッカーになってしまっている。

 MF山田直輝は「空いているところを探して、その結果、安全なプレーになってしまった。周りが空いているので、シュートじゃなくて、そっちを使っちゃうというのが今の現状。点を取るためにボールを回しているのだから、点が取れるならどこからでもシュートを打った方がいい」と力説した。

 選手の口から出る言葉は、フィンケ監督の掲げるパスサッカーに対するアンチテーゼにも聞こえる。結果が出なければ、チーム内に無用な混乱も招きかねない。新生レッズが、大きな壁に直面している。

(取材・文 西山紘平)

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