beacon

鹿島、悲願のアジア制覇ならず…日本勢全滅

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.12 ACL決勝トーナメント1回戦 鹿島0-1浦項 カシマ]

 日本勢全滅――。ACL決勝トーナメント1回戦が12日、行われ、日本勢最後の砦となった鹿島アントラーズはホームで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦。前半29分に先制点を許すと、その後の反撃も及ばず、0-1で敗れた。鹿島にとっては2年連続のベスト16敗退。これで日本勢4チームすべてが敗退する結果となった。

 鹿島は4-4-2のシステムで、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、イ・ジョンス、新井場徹。中盤は小笠原満男と中田浩二のダブルボランチで、右に野沢拓也、左にフェリペ・ガブリエルが入り、興梠慎三とマルキーニョスが2トップを組んだ。

 一方、試合2日前の10日にワルデマール・オリヴェイラ監督が解任され、コーチのパク・チャンヒョン氏が暫定的に指揮を執った浦項も4-4-2。W杯に臨む韓国代表候補30人に選ばれたDFキム・ヒョンイルとDFファン・ジェウォンがセンターバックに入り、同じくMFキム・ジェソンとMFシン・ヒョンミンがダブルボランチを組んだ。

 鹿島は浦項の厳しいプレスに苦しみ、思うようにボールをつなげない。セカンドボールも相手に拾われ、なかなかペースをつかめなかった。

 前半21分、フェリペ・ガブリエルの横パスから野沢がシュート。同23分には野沢の縦パスを受けた興梠が右足で狙ったが、いずれも遠めからのシュートで、枠を捉えられなかった。

 守備でも左サイドやバイタルエリアのスペースを突かれ、ピンチを招く。前半19分にFWノ・ビョンジュンにPA内に進入を許した場面は岩政がスライディングタックルで防いだが、同29分、先制点を許してしまう。

 浦項は右サイドのスローインからMFアウミールのスルーパスに反応したFWモッタが最終ラインの背後を取り、PA内からシュートを放つと、遅れてカバーに入った内田の足に当たってコースが変わり、ゴールマウスへ吸い込まれた。

 全体的にミスの多い鹿島はその後もリズムに乗れず、前半43分、こぼれ球を右足ボレーで狙った小笠原のシュートもゴール右へ。0-1の1点ビハインドで前半を折り返した。

 早めに同点に追い付きたい鹿島は後半4分、小笠原、野沢と細かくつないでフェリペ・ガブリエルがフリーで抜け出す決定機を迎えたが、シュートは大きく上に外してしまう。

 後半16分にはフェリペ・ガブリエルに代えてMF遠藤康を投入。なんとか流れを変えようとするが、同22分、新井場の左クロスをフリーで待ち構えていた遠藤はシュートをミートし切れなかった。

 浦項の粘り強い守備を前に決め手を欠く鹿島。後半32分には中田とモッタが小競り合いとなり、両者に警告が出るなど試合は激しさを増していった。

 鹿島は後半38分、野沢に代わってFW大迫勇也がピッチに入り、前線の枚数を増やす。しかし、終盤の猛攻も実らず、0-1のまま試合終了。昨年に続きホームでの決勝トーナメント1回戦で涙をのみ、悲願のアジア制覇への夢はあっけなく終焉を迎えた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ACL2010特設ページ

TOP