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[高校MOM236]桐光学園DF福森晃斗(3年)_日本一チームから鮮烈FK弾

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.5 JFAプリンスリーグ関東1部第6節 桐光学園高 1-1 横浜FMユース 三菱養和会巣鴨G]

 「自分でもびっくりした」と振り返った“スーパーゴール”は後半5分に生まれた。桐光学園高はスピードに乗った攻撃からゴール正面右寄り、PAやや外の位置でFKを得ると、DF福森晃斗が左足を振りぬく。すると、素晴らしい弾道を描いたシュートはゴール左上へと突き刺さった。左手を突き上げて「どうだ」とばかりにベンチの方向を指差した背番号4は、あっという間にチームメートの歓喜の輪に包まれた。

 会心の一撃を昨年の日本一チームのゴールへ叩き込んだ福森は守備面でもチームにとって欠かすことのできない存在だった。得点ランキング首位のFW小野裕二を中心とした横浜FMユースの攻撃にも判断の良い、的確なカバーリングで対応。スピードに乗って飛び込んでくる相手アタッカーたちの前に身体をねじ込みボールを奪い取った。試合終盤にFKでの残念な失点こそあったものの、破壊力のある相手攻撃陣を1点に封じ込んだ。

 中学時代は村岡中(神奈川)の攻撃的MFとしてチームを全国ベスト8へ導いた司令塔。高校入学後は最終ラインの中央でプレーしているが、その左足からの正確なフィードでチームの攻撃を組み立てている。佐熊裕和監督は「チーム状況でCBがいなくなってしまうので厳しいけど、本当はボランチをやらせたい。相手に対して強いし、正確に蹴り分けることができるから」と中盤でも期待できるというその能力の高さを説明する。対して「自分も前で攻めたいですけど。(前主将の砂川)翔クンの隣で1年間学んできたストッパーで頑張ります。自分がラインの統率とかしていかないといけない」と微笑んだ福森は、「まだつらくなった時、自分のプレーで精一杯になって詰まってしまう。もっと周りに気を使いながらプレーできるようにならないといけない。また自分のキックの部分が上がればチームももっとよくなる」と課題を口にした。

 昨年は2年生中心ながらプリンスリーグ関東1部で5位。昨年の成績を下回る訳にはいかない。「チーム一丸となって一戦一戦にこだわって勝ち点3を取りにいきたい」。この日鮮烈なゴールを決めたDFはその左足と守備力でチームに勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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