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[MOM244]東京VユースMF小林祐希(3年)_向上心旺盛な“天才パサー”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.16 JFAプリンスリーグ関東1部第8節 三菱養和SCユース 3-3 東京Vユース 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 名古屋グランパス入り内定が発表された三菱養和SCユースFW田中輝希が「祐希起点にやられすぎちゃった。アイツは前を向かせると何でもできちゃう」と評したU-19日本代表候補MF小林祐希が、2点ビハインドの劣勢から巻き返した東京ヴェルディユースの同点劇の主役だった。

 この日はどちらかというと引き気味のポジショニング。中盤の底の位置から多彩なパスで攻撃陣をコントロールしていたが、火が着いたときはゴール前でも個人で決定的な仕事をしてのけてしまう。右CKでDF高野光司の追撃ゴールをアシストした直後の後半15分だ。自ら仕掛けると寄せてくるマーカーを軽やかに外し、左サイドでフリーだったMF杉本竜士へラストパス。連続アシストで2点ビハインドを挽回して見せた。

 ただし、「もっと貪欲にゴールを狙っていれば」と反省したように、チームはこの後圧倒的に攻めながら勝ち越し点が奪えずドロー。「ああいう状況になったら、みんな『わーっ』となって前にいっちゃう。それで自分はバランスをとっていたけど、結果的に自分で決めないといけない試合だった」と残念がった。それでも勝ち点1を獲得したことについては「勝つことにこしたことはないけれど、負けなかったことは悪くない。2点差を追いついていい雰囲気で次にもっていけたことはよかったと思う」と前向き。次節に行われるFC東京U-18との東京ダービー勝利を誓っていた。

 高性能の左足から決定的なパスを次々と繰り出す“天才パサー”は各年代の日本代表を経験。今年2月にはトップチームの宮崎キャンプに参加し、早速J2デビューも果たした。現在も普段はトップチームの練習に参加し、週末に行われるトップチームの公式戦に出場する可能性がなくなれば、トップチームの午前練習が終わった後の木曜午後あたりからユースチームの練習に参加するという毎日だ。「今までで一番練習していると思う。(大変だが)ただ、今一生懸命やることがいつか必ずつながるはず。ユースでは自分が出来るとことを見せないといけないし、口だけにならないように頑張ります」。

 抜群のサッカーセンスを持っているが、それに頼ることない。とにかく探究心と向上心も強い印象だ。「まだまだ分からないことが多いし、サッカー経験も浅い。毎日サッカーについて勉強しないといけないし、技術もつけないといけない。サッカーを見ることも必要。話も聞かないといけない。どれも大事なことだし、やらないといけないことだと感じています。今はただ、一日一日、与えられた課題を突き詰めていくこと」。現在「負けたくない」と話すライバルは同学年のG大阪のFW宇佐美貴史や浦和MF原口元気。Jで活躍する彼らを刺激に目の前の課題をクリアしていく。

(取材・文 吉田太郎)

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