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[ナイキカップ][MOM262]市立船橋高FW曽我部彰人(2年)_投入1分後に決めた“2点分”のゴール

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.11 THE NIKE CUP JAPAN FINAL 鹿児島実高 1-1(PK2-4)市立船橋高 味スタ]

 市立船橋をイングランドへ導いたのは途中出場のFW曽我部彰人の左足だった。3-2とリードして迎えたPK戦5人目、チームの命運を託された曽我部はGKをあざ笑うかのような速度を落とした左足シュートをゴール右隅へと沈めて、名門対決に決着をつける。ハーフウェーライン、そしてベンチから一斉に走り出してきたチームメイトに背番号31はあっという間に飲み込まれた。

 「自分が仕事をする」ことを誓っていた。今大会2トップの一角として先発してきた曽我部だが、前日10日にFINALはベンチスタートであることを告げられる。全国大会の決勝、そしてFC東京のホームスタジアムである味の素スタジアムでプレーすることに意欲を燃やしていた曽我部は「モチベーションが下がりかけていた」という。ただ「曽我さん(コーチ)から『オマエの活躍で決まるから』といってもらえて励みになった」と振り返る曽我部は、訪れたチャンスを見事ものにする。

 後半6分の投入直後の7分だ。カウンターからPAへ入り込んだ曽我部にMF杉山丈一郎からのパスが通る。これを得意の左足でゴールへと沈めた曽我部は「真っ先にコーチのところへいこうと思った」と今大会の指揮を執る曽我光利コーチらが待つベンチへ一直線と駆け寄り、喜びを爆発させた。

 ドリブルとパス精度の高さ、そして勝負強さでチームを勝利へと導いた曽我部を曽我コーチは「あのゴールは本当に大きかった。1点だけど2点分の価値があった」とマン・オブ・ザ・マッチに指名した。曽我部は「勝てたのはディフェンスのおかげ」と1世代上の学年の鹿児島実攻撃陣を1点に封じたチームメイトたちに感謝。そして手に入れた夢のイングランド遠征への権利については「日本人は体が小さいけれど、スピードで上回りたい」。この日、夢のひとつを自らのゴールで実現した曽我部は、次の夢を実現するためにイングランドで自分自身を成長させることを誓っていた。

<写真>後半7分、投入されたばかりの市船橋FW曽我部(左)が先制ゴール 
(取材・文 吉田太郎)

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