[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.9 第15回東京都サッカートーナメント学生系の部 東京Vユース4-2慶應義塾大 中央大グラウンド]

　一味違った夏休みの宿題を自分に科して、この夏に大きく成長しようと目論んでいるのが東京ヴェルディユースのFW南秀仁だ。

　この日の慶大との一戦では、右サイドからのクロスに合わせて先制点を獲得すると、ロスタイムにも無人のゴールへと落ち着いてシュートを決め、2得点を挙げる活躍を見せた。

　しかし、この活躍にも楠瀬直木監督は「そういう仕事をする場所だし、チャンスの回数を考えるとそれくらい取らないと」と厳しい言葉。それもそのはず「プロとしてこっちも育てる以上、毎試合1点以上取ってもらわないと。その位のものを引っさげてトップに上がらないといけない」と、南に科されているのは、プロとしてやっていくのに必要なだけの得点力なのだ。

　これは南自身も自覚し、「クラブユースの決勝でも取れてない。まだ足りないっす。大事なときも取れる選手にならないと」。だからこそ、11日からの参加が決まった東京Vのトップチームの練習へは気合が入る。現在高校2年生の南は、学校が始まってしまうと、授業等との兼ね合いでなかなかトップチームの練習に参加することが出来ない。故に、夏休みのうちに何としてでもトップで試合に出たいのだ。だからこそ「夏休みのうちにJ2デビューすることが目標」と話す。

　東京Vユースは、MF小林祐希やDFキローラン木鈴に注目が集まりがちだが、その一つ下の学年に「南秀仁」というFWがいることを、この夏に見せつけたいところだろう。
　
(取材・文　片岡涼)　

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