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[MOM428]東福岡FW横山大樹(3年)_エースが意地のV弾

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ ウエスト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.10 プレミアリーグウエスト第1節 東福岡高1-0富山一高 東福岡高G]

 エースの意地だった。FW横山大樹は背番号9を背負い、東福岡の伝統といえる4-3-3システムのCFに位置する。それだけで課せられた責任の大きさは十分に分かる。立ち上がりから、前線でクサビを受けて起点を作っては、相手の視野から一度消える動きでDFラインの裏を積極的に突いき、何度も富山一ゴールに迫った。

 しかし、放つシュートはなかなかゴールを割らず、焦りだけが募っていった。彼が前半だけで放ったシュートはなんと7本。その中には決定的なものも多くあった。20分にはGKからのキックに対し、素晴らしい胸トラップでワンタッチコントロールすると、GKと1対1に。だが、「あまりにも綺麗な形で抜け出せたので、シュートのときに焦ってしまった」とシュートは枠の外。歯がゆい時間が続いた。

 それでも、後半に彼が放った、たった1本のシュートが、貴重な決勝点となった。18分、中央でMF白井優登がボールを受けた瞬間、「ここに走れば、あいつから必ずボールが来ると思った」と、絶妙な動き出しで、ゴール右前に出来たスペースへ走りこんだ。そこにピンポイントの浮き球のパスが届くと、ワンタッチでコントロールし、GKとの1対1を冷静に沈めた。
「9番を背負っている以上、点を決めなければいけない。常に『俺が取る』という気持ちを持って、どの試合も勝ちに行きたい」。
エースの1発がチームを盛り上げ、その1発がさらにエースのモチベーションを高めていく。『赤い彗星』のエースはホームで好スタートを切った。

(取材・文 安藤隆人)
特設:2011 プレミアリーグ

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