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[MOM443]東久留米総合FW佐々木翼(3年)_国体日本一FW涙のFK弾&全国切符

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.25 高校総体東京都予選準決勝 國學院久我山1-1(PK2-4)東久留米総合 駒沢第2]

 ヒーローとなったエースは試合終了後、最後まで泣いていた。メインスタンドで声援を送り続けていた父母たちへの挨拶も言葉にならない。「迷惑かけてきたので。(チーム状況含めて)不安だった。今大会点入れてなかったし、『やっと』という感じもあった」。期待されながら今大会無得点だっただけに、安どと全国大会進出を決めた喜びが涙を流させていた。

 東久留米総合のキャプテンマークを巻くFW佐々木翼は昨年の千葉国体で東京都選抜の日本一に貢献しているアタッカー。F東京U-18や東京Vユース中心のメンバーの中、出場機会はそれほど多くなかったものの、3連覇を目指していた神奈川県選抜との準決勝でダメ押しゴールを決めるなど、存在感を発揮してきた。

 全国大会出場を懸けた國學院久我山との大一番。前半チームがロングボールを主体とした攻撃を選択する中、佐々木はなかなかボールに絡むことができなかった。「前半はフリーでも蹴っちゃっていたところがあったし、苛立っていた」と本人も振り返る。だが後半は本来のサイド攻撃からリズムをつかみ、佐々木も前線で起点となった。

 そして0-1の後半32分にチームがゴール正面左寄りの位置でFKのチャンスを得ると「自分から蹴らせてもらって」右足を一閃。クロスバーを叩いたボールはその後横っ飛びしていたGKに当たり、ゴールへと吸い込まれた。エースに生まれた待望のゴール。これが追い込まれていたチームを救う一撃となった。

 試合を振り出しに戻し俄然勢いづいたチームはサイド攻撃から國學院久我山をゴール前に釘付けにする。「いつもチャンスはつくるのに最後雑になる」とチームは好機を活かせずに1-1のままPK戦まで持ち込まれたが、最後はPK戦を4-3で勝利し、全国切符を勝ち取った。佐々木にとっては1年生だった09年度の全国高校選手権、昨年の千葉国体に続く全国舞台。自らのゴールでモヤモヤ感を吹き飛ばしたエースは全国大会へ向けて「前線でゲームコントロールできるようにしたい。チームのために頑張れるところを見てほしい」。全国でもゴールを決め、そして勝ってうれし涙を流す。

(取材・文 吉田太郎)

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