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[MOM445]市立船橋MF菅野将輝(3年)_日本一知る“切り札”意地の延長同点弾

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.28 高校総体千葉県予選決勝 流通経済大柏2-2(PK4-5)市立船橋 柏の葉]

 昨年の全国Vメンバーが決めた意地のゴールだった。市立船橋MF菅野将輝は昨年の全国高校総体2回戦の大分鶴崎戦で決勝ゴールを決めたほか、準決勝の桐光学園戦、滝川二との決勝でも貴重なアシストを記録するなどチームの全国制覇に大きく経験。そのMFはこの日、1-2の延長前半5分に同点ゴールを決めてチームを救った。

 昨年は攻撃の切り札として全国舞台で活躍。最上級生となった今年は主力アタッカーとして期待される菅野だが「浮き沈みが激しくて、スタメンじゃなかった」と今大会はベンチスタートの日々が続いた。全国大会出場を決めた船橋北との準決勝も後半終了間際からの出場。そしてこの日も投入されたのは後半37分だった。だが悔しさをバネにしたMFが大仕事をしてのける。

 延長前半1分にリードを奪われたチームは直後にも決定的なピンチをつくられてしまう。一気に畳み掛けられそうな状勢だった。だが5分、敵陣で「インターセプトを狙っていたけど、間に合わなくてコースを切ろうと切り替えた。そしたら相手がミスして・・・・・・」とボールを奪った菅野がGKと1対1に。距離を詰めようとするGKのタイミングを外して背番号11が右足を振りぬくと、ボールはゴール左隅へ吸い込まれた。

 菅野はPK戦でもしっかりとシュートを決めて勝利に貢献。そして流通経済大柏に阻まれ続けていた千葉県のタイトルを奪い返したことを喜んだ。次の目標は先発再獲得。「しっかり普段の練習から盛り上げていくしかない。自分はアシストが得意なんでそういうところを含めてアピールしたい」と誓った。

 1ヵ月後には王者として再び臨む全国舞台が待つ。昨年大活躍した大会だが、甘い考えはない。「全国大会は千葉県とサッカーも雰囲気も違う。レベルも高い。予選はまだ勢いで勝てるけれど、全国は簡単ではない」。気を引き締めたMFが、全国でよりチームに貢献して、再び市船を頂点へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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