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慶應義塾大2点のリードも中央大が追いつき、痛み分け

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[10.15 第84回関東大学サッカーリーグ戦・後期1部リーグ第17節 中央大2-2慶應義塾大 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場]

 第84回関東大学サッカーリーグ戦・1部の後期リーグ第17節が15日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた。5位中央大と8位慶應義塾大の一戦は2-2の引き分けに終わっている。

 ピッチ上には豪華なメンバーが顔を揃えた。中央大はU-19日本代表として12日に中国から帰国したばかりのMF六平光成(2年=前橋育英高)、来季の湘南ベルマーレ入りが内定しているMF永木亮太(4年=川崎F U-18)、来季の横浜FC入団が内定しているMF佐藤謙介(4年=浦和ユース)が先発出場。一方、慶應大はU-19日本代表のMF藤田息吹(2年=藤枝東高)が先発出場を果たした。

 試合は立ち上がりから慶應大がペースをつかむ。MF河井陽介(3年=藤枝東高)の動きに中央大は上手く対応できず、中盤と最終ラインが間延びしてしまう。修正できないまま時間は過ぎると、前半20分。慶應大が先制する。DF笠松亮太(3年=東京Vユース)から右サイドのFW深澤良(4年=清水東高)へつなぎ、最後はMF加美義人(4年=済美)が左足で押し込んだ。

 その後も主導を握ったのは慶應大。なんとか流れを変えたい中央大は、前半33分、FW奥山慎(2年=帝京高)に代え、FW皆川佑介(1年=前橋育英高)をピッチへ送る。しかし、早い時間での交代もなかなかリズムは変わらない。前半40分には、慶應大が再び好機を演出。藤田がPA左から強烈なミドルシュートを狙ったが、これはわずかにバー上へ外れていった。

 後半に入っても1点リードした慶應大が果敢に攻め込む。すると後半16分、河井のサイドチェンジを左サイドで受けた加美が中央へ持ち込むと、左足で切り返しから鮮やかなゴールを決めて見せた。加美のこの日2点目のゴールで慶應大が試合を決定付けたかに思えたが、ここから中央大が目を覚ます。

 後半30分、六平から浮き球の左クロスを受けたFW安柄俊(2年=東京朝鮮高)が空中戦で河井との競り合いからPKを獲得。これを自ら決めて、まずは1点を返す。

 この1点で中央大は勢いづく。六平、永木、佐藤謙とつなぎ、中盤からの波状攻撃で慶應大を翻弄する。後半35分には相手DFと交錯した安が負傷退場し、交代枠を使い切っていた中央大は残り時間を10人で戦うことになるが、数的不利を一切感じさせない戦いぶりを展開。すると同37分、六平が永木とのワンツーから、豪快な右足シュートで同点弾を決めてみせた。

 その後も、中央大が一方的に攻め込む。終了間際の後半46分には、六平、佐藤謙とつなぎ、最後はPA左から永木がヘディングシュートを放ったが、惜しくもGK正面。逆転するには至らなかった。

 試合後、中央大の佐藤健監督は「最近ぬるいサッカーから入るのが多い。あとは気持ちの改善。リスクを負わないとチャンスは来ない」と一言。インカレ出場の可能性については「4割いける。6割は厳しい」と表情を曇らせた。

 また、慶應大のイ・ウヨン監督は「前半からリズムと流れは悪くなかった。結果が引き分けなのは残念。でもやろうとするサッカーは出来ていた」と試合内容を褒める一方でチャンスを決めきれない時間が長かったことについては「勝ちきれなかったのは力不足」と話した。

 中央大にとっても慶應大にとっても、インカレ出場が遠のく、まさに痛み分けとなってしまった。次節、中央大は駒澤大と慶應大は筑波大と対戦する。インカレ出場圏の4位以内を目指した戦いは、節を追う毎に激しさを増していく。

<写真>PKで追い上げの狼煙を上げた安
(取材・文 片岡涼)

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