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[総理杯予選]流通経済大が5発快勝で全国行き!!自分たちの戦い貫くも日本体育大は敗戦

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[6.8 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Bブロック決勝 流通経済大5-1日本体育大 流通経済大G]

 第35回総理大臣杯全日本大学トーナメント関東代表決定戦のBブロック決勝が8日に茨城県・RKUフットボールフィールドで行われた。U-22日本代表MF山村和也(4年=国見高)らを擁する流通経済大が日本体育大に5-1で勝利。2年連続8回目の全国出場を勝ち取った。

 主力の全日本大学選抜MF中里崇宏(4年=流通経済大柏高)、MF椎名伸志(2年=青森山田高)をケガで欠きながらも試合の主導権を握ったのは、やはり関東1部リーグで首位を走る流通経済大だった。前半15分、サイドから仕掛けるとMF中山雄登(2年=広島ユース)の右クロスにFW河本明人(3年=流通経済大柏高)が頭で合わせて早くも先制点。5分後の前半20分には相手DFのボールをかっさらったMF村瀬勇太(4年=流通経済大柏高)からパスを受けたMF保戸田春彦(4年=流通経済大柏高)が右足で決め、2点差にリードを広げた。

 そのまま流通経済大ペースで試合は進むかと思われたが、日本体育大もすぐに反撃。前半23分、MF関戸健二(4年=神奈川県立旭高)のミスをMF稲垣祥(2年=帝京高)が見逃さなかった。相手陣内にこぼれたボールを拾うと、自らPA内へ持ち込み、右足を一閃。1点差に追い上げ、前半を終了した。

 ここから攻めにかかりたい日本体育大だったが「1-2の状況で取りきれずに相手に決められてしまったのが痛かった」とFW武末宏二朗主将(4年=北筑高)が悔やんだ通りの展開となってしまった。早い時間に同点に追いつこうとFW渡辺亮太(3年=調布北高)を的にボールを入れて、ゴールをめざす。後半9分には右サイドから仕掛け、最後はクロスに渡辺が頭で合わせようと飛び込むがU-22代表GK増田卓也(4年=広島皆実高)と交錯。シュートまで持ち込めない。ゴールを奪えずに時間が過ぎると同16分、攻めあがってきたU-22代表DF比嘉祐介に右サイドを崩され、角度のない位置からシュートを許してしまう。これがオウンゴールにつながり、1-3と突き放された。

 逆に再び2点差にリードを広げた流通経済大は試合巧者ぶりを発揮。無理に攻め込まず、点差を活かして余裕を持ちながら試合を進めた。後半26分には関戸がPA手前中央からミドルシュートを決め、同36分には途中出場のFW征矢智和(4年=東京Vユース)が絶妙なループシュート。5-1と試合を決定づけた。そのまま試合は終了し、流通経済大が全国行きを手に入れた。

 リードしてからの戦いぶりを流通経済大の中野雄二監督は「今年のチームが大人だなと思うのはリーグ戦とカップ戦の違いが分かっていること。決してサボっているとかではなく、90分間を全力でやらずに試合の読みやリズムのつくり方を分かっている」と選手たちを称えた。山村も「点もたくさん入っていたので上がらなかった」と明かす通りだ。一発勝負のカップ戦ならではの戦い方を熟知した流通経済大に軍配が上がった。

 一方、準決勝で昨季の全日本大学選手権ベスト4の筑波大を下し、決勝へ駒を進めてきた日本体育大だったが、5失点の大敗を喫してしまった。しかし、武末主将は「自分たちの戦い方を貫くことはできたし、やれないことはなかった」と話し、「(総理大臣杯予選を通じて)収穫はたくさんあったし、課題もいっぱい見つかった。リーグ戦に切り替えて、またしっかり戦っていきたい」と前を向いた。

 勝利した流通経済大は、7月3日から大阪で行われる第35回総理大臣杯全日本大学トーナメントに関東代表として出場する。U-22代表の山村、比嘉、増田らを擁するタレント軍団が夏の大学日本一決定戦では07年以来となる頂点を目指す。

(取材・文 片岡涼)

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