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[選手権]野洲8-0圧勝も山本監督「全く評価に値する試合をしてない」

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[10.28 全国高校選手権滋賀大会2回戦 野洲 8-0 八日市南 野洲G]

 28日、第89回全国高校サッカー選手権大会の滋賀予選2回戦が行われ、優勝候補筆頭である野洲が大会初戦を迎えた。滋賀大会は24日に開幕し、野洲は大会2日目のこの日から登場。早速その力を見せつけた。

 この日の野洲は、AFC U-16選手権に参加中のMF望月嶺臣が不在だっただけでなく、2年前のエース・坂本一輝(立命館大)に続く“中体連の星”として山本佳司監督が期待を寄せるFW加藤臣哉(2年)がベンチスタート、昨年の滋賀大会決勝でゴールを決めたMF布施俊樹、U-16代表選出歴のあるDF水野隼人がそれぞれ負傷で登録外となり、ベストからは程遠いメンバー構成で臨んだ。しかし、それでもこの2回戦で対戦した八日市南との力の差は歴然。開始直後から一方的に試合を進めた。

 3分に巧みなワンタッチで相手をかわし、PAに侵入したFW美濃部寛貴(3年)がゴール左に流し込んで先制すると、10分にはMF三村径太(3年)からのパスをFW円乗健介(2年)が難なく決めて2点目。13分に再び美濃部、17分にはMF谷元侑弥(3年)がこぼれ球を強烈なミドルで叩き込み、圧倒した内容そのままに得点を重ねた。
 谷元とMF中川裕太(3年)のボランチコンビが全体をコントロールし、2列目の三村・香川映二(2年)が小気味良い動きで八日市南を翻弄。5バックにして守る相手を全く寄せ付けなかった。一旦中央にボールを集めて相手を食いつかせては、オーバーラップした右SB田附一哉(3年)、左SB村松隆晴(3年)がほぼ自由にチャンスメークし、立て続けに得点機を作った。

 4点を奪った後は、決定機を作りながらもフィニッシュの精度が甘く、40分に香川がミドルシュートを決めるまでは沈黙。後半に入ってからは前半よりも全体の動き出しが遅くなり、山本監督から何度も「オフ(ザボール)の動きが少ないんや!」と指示が飛ぶ展開に。個で相手を圧倒する場面は作りながらも、連動性を欠いてアタッキングサードでの迫力を欠いた。
 17分に三村、19分に村松、35分に香川が決めて終わってみれば8-0と大差での勝利になったが、山本監督が「まだまだ全然あかん。全く評価に値する試合をしてない」と話す試合となった。

 とはいえ、主力を欠いた中でも八日市南にシュートらしいシュートを打たせず完勝したことは評価でき、悪くない第一歩にはなった。ここから主力が戻って大幅なレベルアップが見込める状況であることもあり、今年も滋賀大会は野洲を中心に展開されることになると確信させる一戦だった。

(取材・文 永田淳)
【特設】高校選手権2010

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