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[選手権]習志野、5発快勝で市船橋と決戦へ:千葉

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[11.3 第89回全国高校選手権千葉県大会決勝T1回戦 習志野 5-0 生浜 鴨川]

 第89回全国高校サッカー選手権千葉県大会は3日、決勝トーナメント1回戦4試合を行い、98年以来12年ぶりの全国大会出場を狙う習志野は、FW佐藤圭太(3年)のハットトリックの活躍などにより、5-0で生浜に快勝。全国高校総体優勝の市立船橋と対戦する準々決勝へ進出した。

 昨年、八千代との決勝をPK戦の末に落とし、涙した習志野が5ゴールで決勝トーナメント初戦を制した。前半5分、CB女鹿遼治(3年)の右クロスを佐藤が頭でゴール左隅へ押し込み先制すると、直後の6分にはMF中村雄太(3年)の右CKをニアサイドに飛び込んだMF中村駿(2年)が頭でゴール左隅へ流し込んだ。

 この後も両SBに加え、アンカー気味にポジションをとったMF山口裕登(3年)、CB女鹿までもが次々と前線へ駆け上がり決定機を演出。31分にはPAでの混戦から山口が右足シュートをねじ込み、3点目を奪うと直後にはMF坪井秀斗(3年)が送ったグラウンダーのラストパスのこぼれ球を佐藤が押し込み4-0とした。生浜はFW小澤貴彦(3年)らが単発のミドルシュートを放つのみ。リードを広げても「絶対に気抜くな!」「切り替え!」とチーム内から激しく叱咤する声の上がっていた習志野の姿に隙は感じられなかった。
 勝者との対戦が決まっていた市立船橋イレブンは、スタンドからピッチへ熱い視線を送り、展開によっては最後まで試合観戦をする可能性もあったが、習志野の隙のない戦いぶりに前半終了とともに視察を切り上げ、会場を後にしていた。

 習志野は後半9分にも強引に中央突破した佐藤のゴールで5-0。メンバーを入れ替えた後半にはカウンターでの対応が乱れて決定的なシュートを打たれた場面もあったが、無失点で試合を終えた。これまで、勢いに乗ったときには手のつけられない攻撃をする習志野だったが、大事な試合では守備で耐え切れずに勝ちきれないところがあった。新人戦と全国高校総体予選ではいずれも優勝した流通経済大柏からリードを奪いながら逆転負けを喫している。今大会での2次予選でも無名の検見川に2ゴールを奪われるなど不安があった。ただ、この日はポジション適正のテストなどを行いながらもCB飯田恭彦主将(3年)を中心にゴールを奪われなかった。

 激戦ブロックに入っている習志野は準々決勝で早くも全国王者の市立船橋と激突。水庫祥元監督は大一番のポイントとして「どれだけ市船の攻撃を止めることができるか」。坪井、中村、右SB飯田憂亮(3年)を中心としたサイド攻撃、そして点を取る自信はある。決戦は7日。これまで競り負けてきた悔しさをぶつけて自らのゴールを守り、全国王者からの勝利をもぎ取る。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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