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[選手権]名古屋入りMF吉田、“出場時間”限定プレーも流経大柏救う一撃

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[1.2 全国高校選手権2回戦 流通経済大柏 2-0 明徳義塾 フクアリ]

 流通経済大柏(千葉)のエースMF吉田眞紀人(3年)が40分間で結果を出した。この日は「理由は言えないんですけど、監督と話して途中から行くことになっていました」と原因をいくら聞かれても明かさない“コンディション不良”という名目で後半開始からのスタート。それでも「前半前線におさめどころがない感じだった。ひとつサポートできる動きをしようと思った」という吉田は右サイド、FW、トップ下といろいろな局面に顔を出しながらボールをキープし、彼のキープ力とパスセンスを信じて走るチームメイトとの連係によって後半の攻撃は、前半に比べて格段に向上した。

 そして25分に奪った決勝点は名古屋グランパス入りを決めている才能を十分に見せ付ける圧巻のゴールだった。敵陣中央左寄りの位置でFW田宮諒(3年)とワンツーをした吉田は挟み込もうとしたDF2人を軽やかなステップで外すとゴールへ向けて力強く前進。「ディフェンスに来ていたけどプレッシャーに感じなかった」というエースはそのまま左足で前半から粘り強く守ってきた明徳義塾のゴールを鮮やかに破った。

 自身初の選手権全国大会。3年前の全国Vメンバーで、吉田の進路でもある名古屋でプレーするU-19日本代表MF田口泰士からメールで「頑張れ、優勝しろ」とメッセージを受けた。また「多くの方から得点王を狙えと言われています」と明かした。彼の左足にかかる期待は果てしなく大きい。

 その中、この日はわずか40分間だけだったが、全国大会出場を懸けた千葉県大会決勝で全国高校総体優勝の市立船橋から決勝ゴールを奪うなどこれまで勝負どころで必ずゴールを決めてきた優勝候補のエースは、当たり前のように周囲の求めるゴールをたたき出した。だが浮かれる表情は見せずに淡々と次戦へ視線を向けていた吉田。本人、周囲の話では今後も出場時間を限定したプレーになる模様だが、その限られた時間の中でもエースは結果を残す。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』) 
(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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