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[選手権]広島皆実、0-2敗戦。森重主将「力不足。大学につなげたい」

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[1.2 全国高校選手権2回戦 広島皆実0-2青森山田 西が丘]
 戦前の予想では勝つ可能性もちらほら聞かれた。何より本人たちが勝つつもりでいた。それだけに悔しかった。広島皆実(広島)は昨年準優勝の青森山田(青森)に0-2敗戦。「最終的に、CBの僕が防げていれば失点はなかった。責任を感じます。力不足です」DFリーダーで主将である森重瑞紀(3年)は責任を一人で背負い込んだ。
 前半25分の1失点目は、2列目から飛び出してきたMF柴崎岳を中盤がつかみきれなかった。シュートのこぼれ球からの失点で、これは簡単には防げないものだった。CBのせいにはできないだろう。森重にとっては2失点目が悔やまれたという。
 「しっかりコンパクトにしてというイメージで、ラインを上げたけど、外から入ってくるのを対応しきれなかった」。前半28分、中央付近にボールがいったため、森重率いる広島皆実のDFラインは、スペースを埋めるためにラインを上げた。上げきる前に柴崎に縦パスを通され、DFラインの裏にMF三田尚希(3年)を走らせてしまった。「もっとどっしりと構えてやればよかったです」と反省を口にした。
 前々回大会の覇者とあり、周囲からは期待をかけられていた。ましてや兄はFC東京のDF森重真人だった。プレーも兄譲りの1対1の激しさ、そしてフィード能力もあると、似ている点がある。森重は「プレッシャーはなかった。去年出れていないし、僕らの代は今回が初めて。チャレンジャーの気持ちで臨んだ」と話す。
 兄・真人は31日に宿舎を訪れ、選手の前で激励を行ったという。この日も観戦に訪れた。普段から2人は仲が良く、離れて暮らす今もメールでやり取りするほど。真人も「山田に勝てれば、結構いけそうと聞いてます。優勝も狙えるチームだと聞いてます」と健闘を祈っていた。瑞紀は「決勝まで行けよと言ってくれたけど、1試合で負けて残念です」と悔し涙を浮かべた。
 卒業後は中央大への進学が決まっている。「このチームでほんと、もっと試合がしたかったです。本当にいいチームだったと思います。見つけた課題は? 2失点したし、課題ばかりが見つかりました。これを大学につなげていきたいです」と森重。この悔しさは大学で晴らし、そして、柴崎らのいるJリーグへ-。高校サッカーですべてが終わるわけではない。サッカー人生はまだまだ続くが、さらなる飛躍を遂げて“全国舞台”に帰ってくる。
[写真]広島皆実DF森重。2失点を悔やんだ
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 近藤安弘)

【特設】高校選手権2010

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