beacon

[選手権]札幌入り室蘭大谷CB櫛引敗戦も「北海道でも上へいける」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.2 全国高校選手権2回戦 前橋育英4-0室蘭大谷 フクアリ]
 
 コンサドーレ札幌への加入が内定している“北の番人”こと、室蘭大谷CB櫛引一紀主将(3年)の全国高校選手権は2回戦で幕を閉じた。守護神・佐藤裕輔とエースFW安藤瑞樹(ともに3年)が負傷のために先発できないというアクシデントの中で迎えた今大会。初戦で四日市中央工に2-0で快勝したが、09年の全国高校総体で優勝している前橋育英は同じようにいく相手ではなかった。

 抜群のポジショニンングで相手アタッカーの攻撃力を半減させてきた櫛引主将はこの日の前半も相手エースFW小牟田洋佑(3年)に仕事をさせず。「櫛引君にボールを奪われてリズムをつかめなかった」と言わしめた。だが本人の感覚は違った。「前半はある程度抑えられていたけど、ボール回しが速くなってキープされてサイドへ散らされるようになってしまった。ひとりひとりの技術が高くてなかなかボールを奪うことができなかった――」。

 後半13分にはサイドへ引き出された櫛引主将がクロスを上げさせてしまい、中央の守備の柱が不在となっていた室蘭大谷は痛恨の失点を喫してしまった。この後「得点に絡む動きをしようと思って前に出た」櫛引主将は前線に果敢に上がり同点ゴールをもたらそうとする。持ち味であるアグレッシブなディフェンスに加えて攻撃面でも積極的な動きを見せた櫛引主将だったが、そのプレーが勝利に結びつくことはなかった。

 試合後「自分のプレーがどれだけできても勝てなければ意味がない」と残念がった。「チームとともに少しでも長くサッカーを」と願ってきたが2回戦敗退。これで北海道勢は78年の室蘭大谷を最後に22年間4強進出がない。櫛引主将は「3年前も2回戦で負けたし北海道はいつも2回戦で負けると思われている。だけど北海道のチームにも技術はあると思う。冬場に雪で外での練習ができないとかハンデはあるけど運動量とかでカバーはできると思う。北海道のチームでも上にいける」と後輩たちに期待を寄せた。

 櫛引自身は札幌入りへ向けて「早くスタメンで出るようになってみんなに元気な姿を見せたい」。室蘭大谷の歴史を変えることはできなかったが、これからは自身の夢を叶えることに全力を注ぐ。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

TOP