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[選手権]山梨学院は連覇ならず…宮本主将「全力は出し切った」

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 山梨学院1-2流通経済大柏 フクアリ]

 連覇への夢は準々決勝で断たれた。立ち上がりから主導権を握った前回王者・山梨学院(山梨)にとって、前半27分にFW加部未蘭(3年)のゴールで先制するまでは理想的な展開だった。

 ところが、その2分後にDF大黒貴哉(3年)のクリアボールが至近距離でFW宮本拓弥(2年)の顔面に当たって跳ね返る不運な失点。直後にMF吉田眞紀人(3年)を投入し、さらに勢い付く流通経済大柏の猛攻に耐え切れなかった。

 吉永一明監督はアンラッキーな形での同点ゴールについて「それがサッカーなので。逆にポストに救われた場面もあるし、仕方ないこと。どんなにいいゲームをしても点を取らなければ勝てないし、点を取られれば負ける。それが現実」と敗戦を受け止めた。

 前回優勝メンバーの1人でもある主将のMF宮本龍(3年)は王者として戦った1年間を振り返り、「正直、はじめはしんどかった。でも、最後の大会はサッカーだけに集中できた。それは良かった」とすがすがしい表情も見せていた。

 試合直後は多くの選手がピッチ上に倒れ込んだが、ミックスゾーンでは皆、しっかりと前を見て、報道陣の質問にも丁寧に答えていた。「全力は出し切った。失点シーンも崩されたわけじゃない。みんなには『顔を上げよう』という話をした」と宮本は言う。

 事実上の決勝戦とも言えた大一番。最後は力尽きたが、追い付かれるまでは流通経済大柏のサッカーを完全に凌駕していた。2年連続で国立のピッチに立つことはできなかったが、選手たちは堂々と胸を張り、山梨へ帰っていく。

[写真]山梨学院MF宮本(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

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