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[選手権]止まらない立正大淞南・加藤、4戦連発で得点ランクトップの7点目

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 西武台2-2(PK4-5)立正大淞南 フクアリ]

 止まらない。立正大淞南(島根)のMF加藤大樹(3年)が得点ランキングトップを快走する7得点目を叩き込んだ。前半10分、FW池田拓生(3年)からラストパスを受けると、左足を一閃。ゴール左隅にねじ込む先制点が4戦連発弾となった。

 1回戦・帝京大可児戦(2-1)で2得点、2回戦・野洲戦(3-2)ではハットトリックを達成した。3回戦・新潟西戦(5-1)も1得点。今大会7得点目に「こんなに取れるとは思っていなかった」と本人も驚きを隠さない。

 「入学したときから自分の持ち味はドリブルだった。監督は『どんどんドリブルしろ』って言ってくれるし、逆にドリブルしなかったら怒られるぐらい」

 南健司監督は「僕は現役時代、ボールを持てない選手だった。だから選手起用のポイントはキープ力のある選手、ドリブルできる選手。練習でロングボールを蹴る選手がいたら『おまえは俺か!』って怒りますから」と笑いながら、「だから僕の中ではいわゆる『持ち過ぎの選手』『顔を上げない選手』も全然オッケー」と強調した。

 この日得点を決めた加藤も池田も、ドリブルが持ち味の選手だ。指導者によっては「もっと周りを見ろ。シンプルにプレーしろ」と言われるタイプかもしれない。しかし、南監督は彼らの個性を大事にし、それを最大限に生かすサッカーを展開している。加藤が「伸び伸びできている」と言えば、池田も「監督には『ドリブルを生かしていけ』と言われているし、やりやすい」と声をそろえる。その結果が加藤の4戦連発であり、島根県勢初の4強入りだった。

 「3年間、国立のためにやってきた」と加藤は力説した。国立での準決勝の相手は、今大会6得点のFW樋口寛規(3年)、同5得点のFW浜口孝太(3年)を擁する滝川二(兵庫)だ。決勝進出を懸けた大一番。熾烈な得点王争いを繰り広げる3人の“戦い”にも注目だ。

[写真]立正大淞南FW加藤(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

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