[JFAプレミアカップ]勝って涙の大分、負けて笑顔の神戸FC、そして…
中学年代日本一決定戦!
「JFAプレミアカップ2011 supported by NIKE」
[5.4 JFAプレミアカップ1次R 大分トリニータU-15 2-0 神戸FCジュニアユース J-GREEN堺]
大会は2日目、ベスト4が決まるラウンド最終戦、グループBの大分トリニータU-15(九州2/大分)と神戸FCジュニアユース(関西3/兵庫)の1戦は2-0で大分が勝利したものの、得失点差で神戸FCが準決勝へと駒を進めた。
難しい試合だった。同グループのカターレ富山の試合スコアを気にしつつ、試合は進む。
ここまで2勝し、精神的に優位な神戸FCは9分、MF鎌倉大和が鮮やかなループシュートを決めたに見えたがオフサイド判定。
対する大分はサイドから攻勢を強め、15分、右サイドをDF福田大樹からFW岩見直也→FW浅原直弥とダイレクトつないでセンタリング。これをDF脇田雄真があわせて理想的な展開から先制した。
スマートな戦いぶりを見せる大分に対し、神戸FCは持ち前の縦への突破力で勝負する。前半21分にはMF鎌倉がゴール正面からラストパスを合わせゴール…と思いきやまたもオフサイド。どこか波に乗り切れないまま1-0大分リードで前半を折り返す。
「仲間を信じろ。1発決まればいける」と監督に言われ、後半のピッチ送り出された神戸FC。
しかし、その出鼻を大分がくじいた。後半2分、右CKからFW戸高裕登がヘディングシュートを決め貴重な追加点。ラウンド突破争いが混沌としてきた。
だがここから神戸FCがらしさを見せる。その中心がトップを張るFW石丸正太郎だ。
中央から主に右に流れてボールを受けるとドリブルを開始。一人でマークをぶっちぎり、再三ゴール前にセンタリングを上げる。
そうかと思えばスルーパスに反応して際どいシュートを放つなど奮闘。大分DFはそのスピードに明らかに手を焼いていた。
そして12分、またもFW石丸が今度は中央突破。ペナルティエリア内で倒されPKを獲得するとともに、大分のDF岩本竜乃輔を“涙の”一発退場に追い込んだ。
試合の大きなポイントだった。神戸FCのPKのキッカーはFW石丸。しかし右足インサイドで蹴ったボールはミートせずGKにキャッチされてしまう。
その瞬間、顔を突っ伏して悔しがるFW石丸。
すぐに気持ちを切り替えようと立ち上がると、目の前に絶妙のタイミングでスルーパスが来た。再び訪れた絶好のチャンス。しかし、これもGKに弾かれシュートはポストの外へ…。
これで完全に気持ちが切れた(かの印象を与えた)神戸FCの攻撃の柱は、以後精細を欠いてしまった。
2点をリードしている大分も得失点差で神戸FCの上に行くにはあと1点が必要とあり、最後まで攻撃の手を緩めない。
後半ロスタイムにはGKも上がるパワープレーを見せたが、結果として神戸FCがギリギリ守りきった形になった。2-0。
もうひとつの試合でカターレ富山が引き分けたため、この試合に勝ったのは大分だったが、ラウンドを突破したのは神戸FCとなった。
勝って涙する大分と、負けて喜ぶ神戸FC。
どちらも微妙なコントラストとなったが、もうひとつ、第三の光景があった。
それは神戸FC、FW石丸の涙。
じつはPKを止められた直後から涙を見せていた。試合後もラウンド突破を決め安堵する神戸FCイレブンの中、号泣しどおしだった。
ラウンド突破より何より、この試合にかける気持ちの強さ。その強さはとても大切だが、一方でさらにメンタルコントロールができるようになればさらに高みを目指せるようになるはず。
本日午後に行われる準決勝でどういうプレーを見せてくれるかで、彼の真価と成長の可能性が問われそうだ。
PK失敗、続く決定機を外して悔しさのあまり絶叫する石丸正太郎に対し、神戸FCのベンチからは「これからお前が強くなるチャンスだ」という声が風に乗って聞こえてきた。
[写真]攻撃でもきっちりと形を作り、理想的な試合運びを見せた大分だったが予選ラウンド突破はならず…
(取材・文/伊藤亮)
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[5.4 JFAプレミアカップ1次R 大分トリニータU-15 2-0 神戸FCジュニアユース J-GREEN堺]
大会は2日目、ベスト4が決まるラウンド最終戦、グループBの大分トリニータU-15(九州2/大分)と神戸FCジュニアユース(関西3/兵庫)の1戦は2-0で大分が勝利したものの、得失点差で神戸FCが準決勝へと駒を進めた。
難しい試合だった。同グループのカターレ富山の試合スコアを気にしつつ、試合は進む。
ここまで2勝し、精神的に優位な神戸FCは9分、MF鎌倉大和が鮮やかなループシュートを決めたに見えたがオフサイド判定。
対する大分はサイドから攻勢を強め、15分、右サイドをDF福田大樹からFW岩見直也→FW浅原直弥とダイレクトつないでセンタリング。これをDF脇田雄真があわせて理想的な展開から先制した。
スマートな戦いぶりを見せる大分に対し、神戸FCは持ち前の縦への突破力で勝負する。前半21分にはMF鎌倉がゴール正面からラストパスを合わせゴール…と思いきやまたもオフサイド。どこか波に乗り切れないまま1-0大分リードで前半を折り返す。
「仲間を信じろ。1発決まればいける」と監督に言われ、後半のピッチ送り出された神戸FC。
しかし、その出鼻を大分がくじいた。後半2分、右CKからFW戸高裕登がヘディングシュートを決め貴重な追加点。ラウンド突破争いが混沌としてきた。
だがここから神戸FCがらしさを見せる。その中心がトップを張るFW石丸正太郎だ。
中央から主に右に流れてボールを受けるとドリブルを開始。一人でマークをぶっちぎり、再三ゴール前にセンタリングを上げる。
そうかと思えばスルーパスに反応して際どいシュートを放つなど奮闘。大分DFはそのスピードに明らかに手を焼いていた。
そして12分、またもFW石丸が今度は中央突破。ペナルティエリア内で倒されPKを獲得するとともに、大分のDF岩本竜乃輔を“涙の”一発退場に追い込んだ。
試合の大きなポイントだった。神戸FCのPKのキッカーはFW石丸。しかし右足インサイドで蹴ったボールはミートせずGKにキャッチされてしまう。
その瞬間、顔を突っ伏して悔しがるFW石丸。
すぐに気持ちを切り替えようと立ち上がると、目の前に絶妙のタイミングでスルーパスが来た。再び訪れた絶好のチャンス。しかし、これもGKに弾かれシュートはポストの外へ…。
これで完全に気持ちが切れた(かの印象を与えた)神戸FCの攻撃の柱は、以後精細を欠いてしまった。
2点をリードしている大分も得失点差で神戸FCの上に行くにはあと1点が必要とあり、最後まで攻撃の手を緩めない。
後半ロスタイムにはGKも上がるパワープレーを見せたが、結果として神戸FCがギリギリ守りきった形になった。2-0。
もうひとつの試合でカターレ富山が引き分けたため、この試合に勝ったのは大分だったが、ラウンドを突破したのは神戸FCとなった。
勝って涙する大分と、負けて喜ぶ神戸FC。
どちらも微妙なコントラストとなったが、もうひとつ、第三の光景があった。
それは神戸FC、FW石丸の涙。
じつはPKを止められた直後から涙を見せていた。試合後もラウンド突破を決め安堵する神戸FCイレブンの中、号泣しどおしだった。
ラウンド突破より何より、この試合にかける気持ちの強さ。その強さはとても大切だが、一方でさらにメンタルコントロールができるようになればさらに高みを目指せるようになるはず。
本日午後に行われる準決勝でどういうプレーを見せてくれるかで、彼の真価と成長の可能性が問われそうだ。
PK失敗、続く決定機を外して悔しさのあまり絶叫する石丸正太郎に対し、神戸FCのベンチからは「これからお前が強くなるチャンスだ」という声が風に乗って聞こえてきた。
[写真]攻撃でもきっちりと形を作り、理想的な試合運びを見せた大分だったが予選ラウンド突破はならず…
(取材・文/伊藤亮)
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