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[JFAプレミアカップ]頭脳vs魂…横浜FMJY決勝へ!

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中学年代日本一決定戦!
「JFAプレミアカップ2011 supported by NIKE」

[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 神戸FCジュニアユース 0-3 横浜F・マリノスジュニアユース J-GREEN堺]

 翌日の決勝戦の切符をかけた準決勝はスコアレスドローのまま延長戦に突入。最終的に横浜F・マリノスジュニアユース(関東/神奈川)が延長に入り疲れの見える神戸FCジュニアユース(関西3/兵庫)から3点を奪い、決勝進出を決めた。

 横浜FMの監督はかつて横浜M、FC東京などでプレーした三浦文丈監督。三浦監督にとってこの試合展開は想定できたものだった。
「ここまで来たら簡単な試合などない。立ち上がりにあったチャンスを決め切れなかった時点でこうなることは予想できた」

 洗練された連係プレー、ピッチ全体を効率よく使いこなす横浜FMが立ち上がりからチャンスをつかむ。サイド攻撃だけでなく、ミドルシュートも積極的に放って神戸FCの守備に的をしぼらせない。
 しかし、神戸FCもこの1戦に気持ちがこもっていた。ボールへの執着心、1対1の競り合い、走り合いには負けない。前半も9分が過ぎ流れが落ち着いてくるとこう着状態に入っていった。

 後半、三浦監督は積極的に選手交代に出る。神戸FCが後半終了直前から選手交代をしだしたのに対し、(ケガをした選手もあってのことだが)前半終了間際から選手を代えだした。
「相手はボールを放りこんでくる単調なサッカー。そのサッカーに合わせないように、サイドにスピードある選手を入れたりと、アクセントをつけたかった。さらに2日で4試合目というスケジュールで、選手たちの疲労を考慮してのこともある」(三浦監督)

 このフレッシュでアクセントがつけられる選手が中盤から前目に投入されることで、横浜FMのチャンスは増えていった。

 しかし、それでもゴールが奪えない。後半も残り5分から横浜FMの波状攻撃が繰り返されるが、神戸FCのCB中村圭一が身を挺して進撃を食い止め、ペナルティエリア内から放たれるシュートはGK藤谷駿がことごとく好キャッチする。

 劣勢ながら守り続けた先に思わぬ光明が見出される。サッカーでよく見られるパターンだ。かつ縦への突破力のある神戸FCにとってカウンターは格好だ。現にこの試合でも「あわや」と思わせるカウンターを何度かさく裂させている。

 しかし、ここをしのぐところに横浜FMの強さがある。CB斉藤海、松崎強太の2人は屈強なだけでなくカバーリング能力も秀逸。神戸FCのほこるFW石丸正太郎、MF鎌倉大和、MF白濱勘太らの進撃をほぼパーフェクトに封じ込んだ。

 そして試合の結末は延長前半8分にあったといっていい。延長に入っても衰えないそのスピードで右サイドを突破した横浜FMのFW大嶌駿から途中交代のMF安藤竣哉へ。安藤がこれを左足で決め遂に均衡を破った。

 身長150cmながらスピードとテクニックが際立つ安藤は、後半開始から投入され再三ゴール前まで進出しては惜しいシュートを放っていた。
 まさに三浦監督の言う「アクセントをつける」選手。試合の読みと戦略が土壇場で結果に結びついた。

 神戸FCはもう体力の限界だったと見ていい。さらにゴールを奪わなければならない状況になったことでリスクを冒して前がかりになった結果、延長後半終了間際に、横浜FMの快足選手、大嶌によって立て続けに2点を獲られてしまった。

 最終的には総合力の差が出てしまったのかもしれない。しかし、縦へ愚直に突き進む神戸FCのサッカーは、洗練された上位チームの中で「魂」を感じさせる清々しいスタイルだった。

 勝利を導いた横浜FMの頭脳と同時に、神戸FCの魂もまた賞賛されてしかるべきだろう。

[写真]今大会たびたび最終ラインを突破してきた神戸FCのFW石丸<右>と鉄壁の守備を見せてきたCB松崎<左>の競り合い

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