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F東京は森重のPK&退場が響く。浦和に13試合勝ち星なし・・・

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[3.14 J1第2節 浦和1-0F東京 埼玉]

 FC東京はまた“壁”を破れなかった。苦手の浦和に、今年こその強い思いで向かっていったが7連敗。ナビスコ杯を含めるとPK勝ちした2004年11月3日の同杯の決勝戦以来、2分け11敗と13試合連続で勝ち星から見放された。

 「(宇賀神の対応は)遅れて入ってしまったけど、相手も自分から・・・。うまくやられた」

 DF森重真人がうなだれた。前半18分、PA内左を突破した浦和の左SB宇賀神友弥を倒してPKを与えてしまった。後半39分にはエジミウソンを倒して2枚目のイエローカードを受け退場・・・。今季、大分から新加入し、城福浩監督からも期待を受けるCBだけに、試合後は無念の表情を浮かべた。

 「森重選手は2枚のイエローカードをもらって、チームが苦しんだことをしっかり受け止めないといけないし、ああいう悪い時間帯になったところはしっかり反省しないといけない。ただ、ほぼゴールラインを割りそうな状況でPKというのは、僕がこれから勉強して選手に指導しないといけない。あれがPKなんだということであれば、もう一度、僕は勉強したいと思う」

 城福監督は独特の言い回しで判定に不服を示したが、宇賀神のほか、田中達也やエジミウソンらのスピード豊かな選手に対し、F東京守備陣の対応が後手に回ったのは事実だ。DF長友佑都は「少し守備を意識して、引きすぎたところがあると思う。攻撃的な守備をしないといけない」と、全体的に受け身に回ってしまったことを口にした。

 森重のPK&退場というアクシデントがあったにせよ、悔やまれる敗戦だ。昨季5位だったFC東京は今季の目標を『優勝』と宣言している。そしてそのカギを握るのが、上位クラブとの対戦でいかに勝ち星が取れるかだった。

 昨季は鹿島やG大阪の上位4クラブと一つ下の6位浦和の計5クラブに対し、2分け8敗と一つも勝てなかった。城福監督は今季の始動日のミーティングで選手にもこの数字を伝え、上位にも勝てるようにトレーニングを積んできたはずだった。ボランチに入った徳永悠平も「浦和に勝てないのは、みんな知っていた。勝ちたかったんですけど」と肩を落とした。

 ただ、プラス材料もある。大怪我で長期離脱しているMF米本拓司は別として、怪我で出遅れていたMF石川直宏とMF梶山陽平が、この日も途中出場で良さを発揮するなどスタメン出場にメドが立ちつつある。この日も10人になってからではあるが、持ち味のアグレッシブさも出ていた。まだシーズンは2試合が終わったばかり。巻き返すチャンスは残されている。

<写真>F東京DF森重
(取材・文 近藤安弘)

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