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柏・北嶋「1年で上げるしかない」

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[11.28 J1第33節 大宮 1-1 柏 NACK]

 「1年でJ1に上げるしかない」。柏レイソル在籍が計10年目(03年~05年は清水所属)を迎えるFW北嶋秀朗は涙ながらに1年でのJ1復帰を掲げた。ただ、J2へ降格した悔しさは、振り切ろうとしても抑えきれるものではなかった。4位の清水を5-0で圧倒し、5位・新潟に1-0で勝って迎えた大宮戦も決して内容が悪かったわけではなく、結果もアウェーでのドロー。この試合を勝たなければいけない状況に追い込まれていたチームは、それまでに逃し続けてきた勝ち点の重さを改めて痛感していた。

 06年から3年間柏を指揮した石崎信弘監督が昨シーズン限りで退任。石崎時代に築いた前線からのハードワークで勝つスタイルから今季は高橋真一郎新監督の下、ポゼッションスタイルのサッカーへの変更を打ち出した。開幕戦では昨季2位の川崎Fと引き分け、続くライバル・千葉戦、横浜FM戦も引き分けるまずまずのスタートを切ったが、勝ちきれず。チームの初勝利は第8節の大分戦まで待たなければならなかった。

 そして10節からは守備が崩壊し5連敗。その間、G大阪に4点を奪われるなど5試合で15点を献上したチームはJ2降格圏へと転落した。契約解除された高橋監督の後を受けて7月19日に就任したネルシーニョ新監督はまず守備の安定を図ると、特別指定選手の大学生FW田中順也を積極的に起用するなど改革を断行した。そしてチームは8月15日の千葉戦から9月26日の大分戦まで7戦不敗と持ち直したが、残り6節で迎えた磐田戦から痛すぎる3連敗。最後の意地を見せて清水戦、新潟戦で連勝したが、それまでの“負債”はあまりにも大きすぎた。

 すでに来季、ネルシーニョ監督が続投することは決まっているが、年俸が高額なFWフランサや間違いなくオファーが届くと思われる20歳のMF大津祐樹らの去就はどうなるか。ただ、チームリーダー格の北嶋は「レイソルが大好きで、常にどうプレーしたらよいかを考えていたし、今でも考えている。1年でJ1に上がるために自分で何ができるか考えていきたい」と明言。主将のMF大谷秀和は「もう1回J1で戦える力をつけて戻ってくる」と続いた。
 9日にJ2降格の決まった千葉に続き、千葉県勢の牙城を守ることができなかった柏。必ずJ1で戦える力を備えてこの舞台に戻ってくる。

(取材・文 吉田太郎)

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