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湘南が新潟を2-0で下し11年ぶりのJ1勝利

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[3.27 J1第4節 湘南2-0新潟 平塚]

 J1第4節が27日に各地で行われ、神奈川・平塚競技場では湘南ベルマーレアルビレックス新潟が激突した。ともに今季未勝利同士の対戦は、前半20分に湘南がFW中村祐也がJ1初ゴールを決めて先制。湘南は後半31分にもエースのFW田原豊が追加点を決めて2-0で勝利した。湘南が4戦目にして、J1で11年ぶりの白星をつかんだ。

 2試合連続3失点と苦しい戦いが続いている湘南は、左SBに山口貴弘が初先発。システムは4-3-3でGKは野澤洋輔、DFラインは右から臼井幸平、ジャーン、村松大輔、山口貴弘が入った。中盤はアンカーに田村雄三、2列目に寺川能人と坂本紘司。3トップは田原豊を頂点に、中村祐也と阿部吉朗が両翼を務めた。

 対する新潟も今季未勝利。ただ最近2試合は引き分けで、メンバーが抜けたとはいえ前節のG大阪戦をスコアレスドローに持ち込むなど、持ち味の堅守は生きている。システムは4-3-3でGKは東口順昭、DFラインは右から内田潤、千葉和彦、永田充、酒井高徳が入った。中盤はボランチに三門雄大と本間勲、トップ下にマルシオ・リシャルデス、3トップは右からチョ・ヨンチョル、大島秀夫、矢野貴章が入った。

 開始直後は新潟がワイドに開いたチョ、矢野をうまく使って攻撃を展開。前半3分、CKのこぼれ球をマルシオが拾い、左サイドの酒井に展開。ドリブルで仕掛けて中へ折り返すが、大島の頭には合わなかった。その後も、両翼とマルシオがうまくからむが、崩しきるまでは至らなかった。

 対する湘南も徐々にペースをつかみ、サイド攻撃を仕掛ける。前半12分、右サイドを崩して坂本がPA内右の中村へ。しかし、息が合わずにトラップミス。その1分後、再び坂本が右サイドを攻略して中央へクロス。だが、ややボールが高くなり、飛び込んだ阿部は合わせることができなかった。

 前半16分、新潟が好機を作る。左サイドを攻略し、PA内左でチョがキープ。これを三門につなぎ、中央の大島へ。大島は反転して右足でシュートを放ったが、右へ外れた。

 ホームの大声援を受けた湘南が、待望の先制点を奪った。前半20分、カウンターからの縦パスに中村祐也が抜け出し突進。GKと1対1になりかけたところで左足を一閃。きっちりとゴールネットに突き刺した。中村は持ち味の縦への早さを生かして今季初&J1初ゴールを決めた。

 先制点に沸く湘南サポーターだが、前半23分にアクシデントが起きた。初先発の左SB山口貴弘が守備の際に足を痛めて転倒。担架で運ばれ、そのままDF島村毅と交代した。

 その後、新潟がマルシオを中心にボールをつなぐが、湘南はFW田原を残し、全体的にやや引き気味となってチョや矢野をしっかりとケア。一進一退の攻防が続く。前半35分、縦パスに中村が飛び出すがあと一歩届かず。対する新潟もチョが何度かドリブルで仕掛けるが、バイタルエリアを攻略できない。前半は湘南が1-0で折り返した。

 後半も前半の終盤と同様、新潟がややボールを支配した。それでも湘南は持ち味の運動量を発揮して守り切る。そしてカウンター攻撃を狙った。後半3分、湘南は阿部が中央から右足でミドルシュート。これは枠を大きく外れた。

 新潟は後半6分、右サイドをチョが攻略し、オーバーラップした千葉にスルーパス。これはGK野澤が飛び出してセーブした。ともに決定機を欠く中、後半18分に新潟はボランチの三門に代えてミシェウを投入。本間のワンボランチにし、ミシェウは2列目に入った。湘南も後半25分、寺川に代えて永田亮太を投入。ダブルボランチにして中盤の守備を強化した。新潟はその1分後、チョに代えて河原和寿を投入。攻撃にアクセント付けようとした。

 そんな中、湘南がカウンターで貴重な追加点を奪った。後半31分、オーバーラップした村松がスルーパス。これをPA内左で受けた中村が左足でシュート。GKに弾かれたボールを右サイドの臼井が拾って中央へクロス。これをエースの田原豊がヘディングで今季初ゴールを決めて2-0とリードした。

 新潟は依然としてボールをつないて攻め続ける。後半30分、ミシェウがドリブルで突進して、グラウンダーのミドルシュート。その後もミシェウが何度か攻め込むが、決定機には至らなかった。

 湘南は後半37分、中村に代えてFW中山元気を投入。右FWに入った。何とか1点が欲しい新潟は中央にサイドにとパスを回して攻め込むが、なかなかバイタルエリアを崩すことができない。湘南がジャーン、村松を中心に体を張って守る。試合はそのまま湘南が2-0で勝利。ホームで11待望の年ぶりのJ1勝利をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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