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湘南・野澤が古巣を完封。「うれしくもあり寂しくもある1勝」

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[3.27 J1第4節 湘南2-0新潟 平塚]

 勝利の瞬間、湘南ベルマーレのGK野澤洋輔は満面の笑みと、安堵の表情を織り交ぜた。湘南にとってはここまでの3試合で1、3、3と7失点を喫していたが、今季初の無失点。野澤にとっては古巣サポーター&チームメートの前での完封勝利だっただけに、感慨深いものになった。

 「本当にうれしくもあり、寂しくもある1勝ですね。新潟のサポーターは温かかったです。拍手を送ってくれましたからね。新潟でやってきたことがよかったと思われたのかな」

 初勝利のうれしさ、両サポーターへの感謝の思い、安堵感、リベンジの気持ちなど、脳裏にはさまざまな思いが廻った。プロ選手として成長し、活躍の舞台となった古巣・新潟。戦力外通告も味わった。野澤は「最初は地に足がつかない気持ちもあった。最初にしっかりと勝ちたいという思いもあった。(新潟との2戦目は今季最終戦のため)長い間、引きずるのも嫌だったしね」と吐露した。

 試合中は“感傷”はすてた。チームメートに、自身が知る“新潟のすべて”を伝授した。「シュートのタイミングとか、いろいろと話した。みんなに伝えました」と野澤は振り返る。シュート14本を浴び、何本か枠に入れられたが、セーブ。クロスへの反応も鋭かった。反町監督も「野澤はよく守っていた。(新潟のことを)よくインプットして、よくアウトプットしていた」と称えた。

 「これで勝ちの味や勝ち方を、みんな思い出したと思う。やっぱり最後のところは、走ることが大事。走ることで勝利を呼ぶ。次も勝てるように頑張りたい」と守護神。湘南ではJ1の戦い方を熟知した、数少ない選手。経験を生かして、これかも最後尾でチームをけん引する。

<写真>湘南GK野澤
(取材・文 近藤安弘)

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