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浦和が連勝で暫定3位。阿部がFK弾!

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[4.3 J1第5節 浦和2-1湘南 埼玉]

 J1第5節が3日、各地で行われ、埼玉スタジアム2002では浦和レッズ-湘南ベルマーレが対戦した。ともに前節に勝利しており、連勝で勢いに乗りたい流れの中、ホームの浦和が前半45分にMFポンテのPK弾、後半11分にMF阿部勇樹のFK弾で2-1で勝利。勝ち点を10とし暫定3位に浮上した。湘南は後半ロスタイムにFW中山元気が1点を返したのがやっとだった。

 浦和は4-5-1システムを採用。GKは山岸範宏、DFラインは右から高橋峻希、山田暢久、坪井慶介、宇賀神友弥。中盤はボランチが阿部勇樹と細貝萌、2列目がポンテ、柏木陽介、田中達也。1トップはエジミウソンが務めた。浦和の前線は変則で、田中が前に出て2トップになる事もあった。

 対する湘南は4-3-3システムを採用。ナビスコ杯初戦は9人を入れ替えて控え組中心で戦ったが、この日は現状のベスト布陣に。GKは野澤洋輔、DFラインは右から臼井幸平、ジャーン、村松大輔、島村毅。中盤はアンカーに田村雄三、2列目に寺川能人と坂本紘司。3トップは田原豊を頂点に右は中村祐也、左は阿部吉朗が入った。

 開始4分、湘南が最初のビッグチャンスを作った。右CKの場面で坂本のキックにジャーンが飛び込みヘディングシュート! タイミングもミートもバッチリだったが、これはわずかに上に外してしまった。ジャーンは悔しそうな表情で両手で頭を抱えた。

 その後は浦和が圧倒的にボールを支配した。前半8分、PA左でエジミウソンが右足でシュート。同12分には左サイドからのポンテのクロスに、阿部が右足でボレー。いずれもゴールを決められなかったが、押し込み続けた。

 その後も浦和の攻勢が続く。前半19分にはポンテが右サイドをドリブルで仕掛け、2度の切り返しからDFを交わしてクロス。さらにその1分後には、再びポンテが右サイドを攻略して、最後はPA内右に走り込んできた細貝にラストパス。これはトラップミスでシュートまではいけなかった。

 湘南はカウンターに勝機を見出す。前半25分、臼井からパスを受けた阿部がドリブル突進しPA内へ。いったんDFにブロックされたが、こぼれ球を拾った中村がドリブルで再突進。再び守備陣に防がれたが、3トップにボールが入ると前へ前への“らしさ”が発揮された。

 攻める浦和、守る湘南の図式が続く中、前半38分、浦和に好機が訪れた。こぼれ球を高橋が中央に入れ、エジミウソンがゴールエリア内でヘディングシュート。しかし、これは丁寧にいきすぎたのか力がなく、GK野澤の正面をついてセーブされてしまった。

 浦和が攻め続ける展開の中、ようやく先制点を奪った。前半44分、右サイドにいた田中がサイドチェンジのパスを受けてカウンターへ。快足を飛ばしてドリブルで仕掛けると、湘南DF村松がPA内右でたまらず倒してしまう。これで得たPKをポンテがきっちりと左下に蹴り込み、ゴールネットを揺らした。ロスタイムは1分で前半はそのまま終了した。

 後半、湘南は寺川に代えて永田亮太を投入した。だが、浦和の優勢は変わらない。開始4分、右サイドを攻略し、最後は高橋の右クロスから阿部がややニアでダイビングヘッド! わずかに右に外したが、攻撃の手を緩めない。その2分後も田中がドリブルで仕掛けてポンテにスルーパス。PA付近でのせめぎ合いの中、ゴールエリア内にこぼれたボールを田中がヘディングシュート。決定的だったが、GK野澤が何とか反応してCKに逃れた。

 浦和は後半8分、細貝に代えてMF鈴木啓太を投入した。ホームの大声援をバックに圧倒的に押し込む中、セットプレーで追加点を奪った。後半11分、PA中央やや左、約22m付近。阿部が右足を振り抜くと、相手の壁に当たってコースが変わり、ゴール左へ。右に跳びかけていたGK野澤は間に合わず。2-0とする追加点を奪った。

 湘南は後半13分、精彩を欠いていた田原に代えてFW新居辰基を投入した。3トップを新居、阿部、中村のスピードが売りの選手でそろえた。浦和は同18分、田中に代えてFW原口元気を投入。そのまま左サイドに入った。

 その後も浦和が圧倒的に攻め込む。ポンテ、柏木を中心にうまくサイドを使って攻撃を展開した。湘南は新居を残して全員が引いて守るしなかった。後半32分、湘南は阿部に代えてFW中山元気を投入した。

 後半33分、浦和はゴール前左でこぼれ球を拾ったエジミウソンが角度のないところからヒールシュート。惜しくもサイドネットだったが、遊び心も見せてゴールを狙った。同36分、浦和は高橋に代えてDF堤俊輔を投入。そのまま右SBに入った。

 湘南は後半40分、左サイドでFKをゲット。坂本のキックにファーサイドでジャーンが頭を合わせたが、これもゴールやや上に外した。後半41分、浦和にビッグチャンスが生まれた。右サイドをエジミウソンが攻め込み、グラウンダーのクロス。これを原口が右足で合わせるが、惜しくもクロスバーをたたき追加点は奪えなかった。

 ロスタイムの表示は3分。1分後に湘南が意地をみせた。中山元気がゴールを決めて1点を返した。すると湘南が息を吹き返して攻め込む。早い攻撃からPA内左を中村がドリブルで仕掛ける。だが相手守備にブロックされて転倒。これはファールにはならなかった。直後に試合は終了。浦和が2-1ながらスコア以上の力の差を見せて勝利した。

(取材・文 近藤安弘)

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