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湘南はスコア以上の完敗。反町監督「我々がアーセナルじゃなかった」

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[4.3 J1第5節 浦和2-1湘南 埼玉]
 圧倒的に攻め込まれた。予想はしていたが、これほどとは・・・。シュート数は浦和の21本に対し湘南ベルマーレは6本。スコアは1-2だったが、1点差以上の力の差を感じた。湘南イレブンはがっくりと肩を落とした。
 「我々は走力を武器にしているが、それを攻撃ではなくディフェンスの方に使ってしまった。選手の質、年棒を考えれば当たり前で、その中で活路を見出していかないといけなかった。チャンピオンズリーグのアーセナル対バルサの前半のように、7対3でボールを動かされた。その中で追いつけなかったのは我々がアーセナルじゃなかったからですね」
 反町康治監督は精一杯の冗談?を交えて振り返った。先日の欧州CLでアーセナルは、格上のバルセロナに2点先行されながら2-2の引き分けに持ち込んだ。そのVTRを見て、湘南も再現をもくろんだが・・・。たしかに湘南がアーセナルのような技量がないことは自覚している。それなら、アーセナル以上に走るしかない。だが、走りの質の面で課題を突き付けられたという。
 言葉通り、走力が武器のはずなのに、セカンドボールの対処やプレッシングで後手に回った。指揮官は「一歩目で後手に回った。レッズさんはしっかりと予測して走っているが、我々は、いつどこで、どのように走るのか、こういう点でレッズさんに劣っていた」と嘆いた。J2では前からのプレスで走り勝ちできたが、J1ではその量はもちろん、質が重要となる。
 前半45分に田中達也を倒してPKを与えてしまったDF村松大輔は「反省することも多かった。良い経験をさせてもらってるし、この悔しさをこれから自分の糧にしていきたい」と口にした。CLではアーセナルは個人能力の差は割り切って“弱者の戦い”を徹底した。世界屈指のアーセナルでさえ、だ。湘南もレベルは違うが、試合運びとしては見習う部分があるだろう。
 「あきらめない姿勢が最後の我々のゴールを生んだと思う。最後のような形をたくさん作れるようにトレーニングしていますが、なかなかJ1の壁は厚い。その現実を見ながら、これからもっとやらなければいけないことがたくさんある。ポジティブに捉えれば次につながる1点が取れたので、そう考えて来週のホームのジュビロ戦をがんばりたい」
 反町監督は後半ロスタイムに左クロスから途中出場のFW中山元気が奪った1点を評価。今後もあきらめない姿勢を貫くことを宣言した。たしかに、まだ5試合を終えたばかり。11年ぶりのJ1だけに、苦戦は仕方ない。すべてが成長につながる-。この敗戦を必ず肥やしにして歓喜につなげる。
(取材・文 近藤安弘)

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