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F東京-京都は1-1ドロー。敗戦危機を重松が救う!

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[4.17 J1第7節 F東京1-1京都 味スタ]

 J1第7節が17日に各地で行われ、東京・味の素スタジアムではFC東京京都サンガF.C.が対戦。前半11分に京都がMF角田誠のゴールで先制したが、FC東京は後半28分にFW重松健太郎が自ら奪ったPKを決めて1-1に。このまま同点で試合を終えた。FC東京、京都ともにリーグ戦3戦勝ち星なしとなった。

 FC東京はシステムは4-4-2でGKは脳震盪から復活した権田修一、DFラインは右から長友佑都、森重真人、今野泰幸、キム・ヨングン。中盤はボランチに徳永悠平と羽生直剛、右MFに石川直宏、左MFに松下年宏が入った。2トップは平山相太とリカルジーニョが組んだ。

 対する京都は4-5-1を採用。GKは水谷雄一、DFラインは右から増嶋竜也、郭泰輝、水本裕貴、森下俊。中盤はボランチが角田誠と片岡 洋介、2列目は右から西野泰正、ディエゴ、中山博貴が入り、1トップは元日本代表の柳沢敦が務めた。

 試合は序盤、FC東京が標榜しているパス回しを行い、中盤を支配した。ただ京都はしっかりとDFブロックを形成。奪ってから速いカウンターへ。ディエゴ、柳沢らをうまく使って反撃に出ていた。

 ともにプレスをしっかりとかけて試合を運んだため、中盤のボールの奪い合いは激しかったが、バイタルエリアを攻略できない。一進一退の攻防が続く中、京都がカウンターで均衡を破った。

 前半11分、右サイドからの低いクロスをニアで柳沢が合わせる。これは弾かれてこぼれたが、ファーサイドに詰めていた角田誠が敵地で貴重な先制ゴールを奪った。

 その後もパスを回すFC東京、守ってからの素早い攻撃を展開する京都という図式が続く。中盤でのプレスがお互い有効に作用した関係で、ともにシュートまでいけず試合の迫力はなかった。

 FC東京は前半27分、PA前で左サイドの松下のパスを受けた石川が左足でシュート。低く抑えたがGK水谷に弾かれCKとなった。全体的に攻撃が淡白で、平山とリカルジーニョの距離が遠くて前での崩しに工夫を欠いた。

 前半36分、京都はディエゴがセンターサークル付近でサイドチェンジのパスを出す。すると、股関節付近を痛めたようで転倒。一時中断した。治療後にピッチに戻れたが、京都サポーターは冷やりとさせられた。

 FC東京はボールをつないでサイドに展開したり、早めに平山に入れるなど長短のパスを織り交ぜて攻めたが、最終ラインで跳ね返されシュートまでいけない。前半は京都が1-0で折り返した。FC東京サポーターからは選手を鼓舞するブーイングと「シュート打て!」の大合唱が起こった。

 後半、ともにメンバー変更なくスタート。だが、FC東京は日本代表DF長友佑都を左MFに回し、左MFの松下を右SBに代えて攻撃に変化をもたらそうとした。

 京都は後半、サイドをうまく使い、ボールを回そうとする。しかし、FC東京もしっかりとプレスをかけて寸断。前半同様、FC東京がボールを支配するが、決定打は少ない。後半11分に平山が浮球に抜け出して石川に落としたが、これはオフサイドを取られた。

 後半15分、FC東京はリカルジーニョに代えてルーキーのFW重松健太郎を投入。若き点取り屋に同点弾を託した。さらに同18分、松下に代えて中村北斗を投入し、左MFへ入れた。これにより、長友は先発時と同じ右SBに戻った。

 対する京都は後半21分、西野に代えてMF安藤淳を投入。そのまま右MFに入った。FC東京は後半24分、平山に代えてFW赤嶺真吾を投入。重松との“泥臭2トップ”に期待を寄せた。

 FC東京は後半26分、カウンターから右SBの長友がクロス。しかし、やや高く中で誰も合わせられなかった。後半27分、FC東京がPKをゲットした。PA内右で赤嶺のシュートのこぼれを重松が拾ってドリブル。たまらず京都DFが倒した。このPKは重松がキッカーを務め、GK水谷の動きをみながら、あざわらうかのように中央やや右上にゴール。1-1の同点とした。

 これで勢いに乗ったホームのFC東京が攻撃を仕掛ける。後半31分、徳永の右クロスに赤嶺が飛び込みヘディングシュート。これはGK水谷の正面を突いた。後半35分、ゴール中央約25mでFKをゲット。キッカーの中村が無回転シュートで直接狙うが、これもGK水谷の正面に飛んでしまった。

 京都は後半36分、柳沢に代えて17歳FW宮吉拓実を投入。若き力に勝ち越しをゆだねた。京都は同38分、宮吉の落としから右サイドに展開。受けた安藤がドリブルで突進しシュート。これはGK権田がきっちりセーブした。同40分にはディエゴが約30mのロングシュート。ゴールこそ割れないが、京都も落ち着きを取り戻し、再び一進一退の攻防が続いた。

 後半41分、ディエゴのFKに角田が飛び出し、ゴールエリア内左で左足を合わせた。わずかに左に外れたが、終盤は京都が盛り返してボールをつなぐ時間が増えた。京都は同43分、中山に代えてFWハウバート・ダンを投入。1トップに入れ宮吉を左MFに変えた。

 ロスタイムは4分。FC東京は中村が左サイドからゴールエリア左の石川にパス。石川はワントラップ後、オーバーヘッドを試みたが、DFに寄せられジャストミートしなかった。ホームのため何としても勝ちたいFC東京は必死に攻め込む。右サイドからのパスに赤嶺がシュートを放つがGK水谷に防がれ、そのこぼれ球を左から石川がシュート。しかし、DFにブロックされてしまった。結局1-1の引き分けに終わった。

(取材・文 近藤安弘)

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