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浦和・山岸がPKストップで完封に貢献

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[4.18 J1第7節 浦和3-0川崎F 埼玉]

 3-0の快勝を導いたのは、守護神のファインセーブがあったからだ。2-0の後半11分、浦和レッズのGK山岸範宏が川崎FのレナチーニョのPKをセーブ。失点したら流れが傾きかねない時間帯でさすがのプレーを披露した。

 「とにかく相手よりあまり早く動かないこを考えた。決められたらゲームの流れが大きく変わる展開で、自分が我慢して、チームの勝利のためになって良かった」

 いぶし銀が笑顔を見せた。たしかに、山岸はレナチーニョがボール蹴る瞬間まで微動だにしなかった。相手の目、動きを凝視し、ぎりぎりまでコースを探った。読みと言うよりは、見切ったというセーブだった。ホームとはいえ、4万6千超の観衆が見守るプレッシャーのかかる状態。それでも心を乱すことなく、落ち着いて右に飛んでセーブした。

 こぼれ球をレナチーニョに詰められ、周囲は冷やりとしたが、「自分の体勢の中で出来る限り体を寄せました」と山岸。レナチーニョは合わせればいいだけのボールだったが、上にふかしてしまった。まさに駆け引きで勝利した形。チームメートも絶賛で、MF柏木は「あれがあったから勝てた」と脱帽した。

 14日のナビスコ杯・神戸戦でGK加藤順大がPKを止めた。かつてオシムジャパンで日本代表に選ばれ、現在は正守護神の座がゆるぎないとはいえ、燃えるものがあった。そもそも、これまで同い年のGK都築龍太(怪我で出遅れ中)との激しいポジション争いをしてきた。“わずかな差”がレギュラーか、控えかという『天国と地獄』のような“大きな差”につながることを経験してきた。これが集中力の維持につながっている。

 「いまの時点で首位にいるのは悪い状態ではないけど、まだ順位よりも勝ち点3を積み重ねることが大事。とにかく、次の磐田戦が大事なる。自分はしっかりと準備したい」。チームは約1年ぶりの首位に立ったが、そんなことには動じない。山岸はこれからも最後尾でどっしりと構え、チームを支えるつもりだ。

<写真>後半11分、川崎F・FWレナチーニョのPKを止める浦和GK山岸
(取材・文 近藤安弘)

浦和のサッカーを戦術と選手コメントで読み解く『浦和再生』

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