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川崎Fは“魔の2分間”で2失点。先制されると全敗・・・

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[4.18 J1第7節 浦和3-0川崎F 埼玉]

 まさに“魔の2分間”だった。川崎フロンターレは前半7分と8分という早い時間に立て続けに失点し、首位浮上を逃した。

 「あれは自分のミス。弾く方向が。しっかり弾けてれば違った。先に失点して流れが悪くなった」

 日本代表GK川島永嗣が悔しそうに振り返った。前半7分の1失点目は、川島から見てPA正面やや右から打たれたMF細貝萌のミドルシュートだった。この直前に、川島から見てPA内左でMF谷口博之がクリア。これがポンテに当たり、運悪く細貝の方に飛んできたもの。不運とはいえるが、川島の位置取りが、やや前だったこともあり、うまく弾き切れなかった。

 2失点目は、FW田中達也のスーパーミドルだった。これは川島のせいではなく、味方の守備陣の寄せの甘さが原因だった。高畠勉監督も「残念ながら勝敗を分けたのは立ち上がりの2失点かなと。球際のところ、セカンドボールの拾い合いのところで相手に負けた」と嘆き、下あご骨折から復活したばかりのため、後半開始からの出場となったMF中村憲剛も「外から見ていて、寄せが緩かった」と指摘した。

 憲剛が登場後の後半は、攻撃の形が出来始めたため、多くの選手が後半11分のレナチーニョのPKが決まっていたら流れが変わっていたと悔やんだが、この日は浦和が中盤をコンパクトにし、常に2、3人で連動してプレッシャーをかけてきた。これに戸惑い、リズムを崩したのは事実だ。MF谷口博之は「向こうは前線も含めて11人がかっちりだった(連動していた)。逆にうちの方は(前線&中盤&DFとそれぞれ距離が開いて)分かれちゃってた。それがいい時はいいんだけど」と悔やんだ。

 浦和戦を含めて今季、先制された試合はACLを含めて5試合あるが、いずれも盛り返すことはできず全敗に終わっている。優勝するためには、逆境を跳ね返して、最低でも引き分けに、そして逆転勝ちする底力も必要となる。

 高畠監督は「点が入れば、うちももっと攻撃に勢いが出たと思う。手前味噌ですけど、我々フロンターレの方が力があると私は思っている」と前を向いた。まだシーズンは序盤。この悔しさをバネに、再び首位獲りに挑戦する。

(取材・文 近藤安弘)

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