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浦和が名古屋を撃破。柏木の移籍初G、原口の今季初Gで3試合ぶり白星

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[5.5 J1第10節 浦和2-1名古屋 埼玉]

 J1第10節が5日に各地で行われ、埼玉スタジアム2002では浦和レッズ名古屋グランパスが対戦した。名古屋が前半13分にFWケネディのヘディング弾で先制したが、後半、浦和はMF柏木陽介の移籍初ゴールとなる同点弾、MF原口元気の今季初ゴールとなる逆転弾で2-1勝利。3試合ぶりの白星をつかんだ。

 リーグ戦2連敗中の浦和は、いつも通りの変則4-5-1システムを採用。GKは山岸範宏、DFラインは右から平川忠亮、山田暢久、坪井慶介、宇賀神友弥が入った。中盤はボランチに阿部勇樹と細貝萌、2列目は右からポンテ、柏木陽介、田中達也が入り、1トップはエジミウソンが務めた。

 対する名古屋は闘莉王が出場停止、マギヌン、金崎夢生が負傷欠場と主力3人を欠いた。システムは変則4-3-3でGKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、千代反田充、増川隆洋、阿部翔平。中盤はボランチに中村直志と三都主アレサンドロ、トップ下にブルザノビッチが入った。3トップは右から玉田圭司、ケネディ、小川佳純が務めた。三都主が左サイドに出たり、小川が中央に入ったりと、前線は流動的な形となった。

 開始からアウェーの名古屋が押し込んだ。前半3分、立て続けにチャンスを得る。小川がドリブルで仕掛けて右足シュート。DFにブロックされてCKをゲットした。このチャンスに、ケネディがヘディングシュート。これはGK山岸にスーパーセーブされ、先制のチャンスを逃した。

 その後も名古屋が試合を優位に進める。前半9分、左サイドで小川が山田のパスをカットし、そのままドリブルで仕掛けてシュート。わずかに枠を外したが、波に乗った。1分後、今度は左サイドからの阿部のクロスに、小川がバックヘッド気味にシュート。力なくセーブされたが、得点のにおいを漂わせた。

 そしてついに、名古屋が貴重な先制点を奪った。前半13分、三都主の右クロスにケネディが頭を合わせてゴールネットに突き刺した。エースの今季5ゴール目で1-0リードをつかんだ。

 浦和も徐々にリズムを取り戻す。前半21分、PA左でボールを受けた田中がドリブル突進からシュート。これは惜しくもサイドネットにいってしまった。そして同25分、右サイドからのクロスに田中がヘディングでシュート。これは上に外れたが、この際、田中は競り合いで痛み転倒。一度、ピッチの外へ出た。

 浦和は前半29分、PA左を柏木がドリブルで仕掛けて左足でシュート。だが、これは力なくGK楢崎に防がれた。同32分にも柏木がPA左からミドルシュートを放ったが、これはわずかに上に外れた。

 前半34分、浦和に“緊急事態”が起きた。田中が自ら“罰サイン”を送り、MF原口元気と交代した。同21分の際の接触プレーで何かアクシデントが起きたとみられる。前半はその後、一進一退の攻防が続き、ともに決め手を欠いて終了。名古屋の1-0で折り返した。

 後半、名古屋は玉田に代えてMF吉村圭司を投入。中村とダブルボランチを組んだ。後半序盤は浦和がリズムを作る。そして同3分、ついにこの男のゴールが生まれた。PA左を攻め込み、最後は原口がPA正面にいた柏木陽介へ。新司令塔は利き足とは逆の右足を豪快に振り抜き1-1の同点弾を決めた。

 柏木の移籍後初ゴールでチームは勢いづく。持ち味のボール回しが活性化された。そして後半10分、ついに逆転に成功。ポンテの縦パスに原口が反応。DF増川のクリアミスもありそのままドリブル突進し左足を一閃。18歳MFの今季初ゴールで2-1とリードした。

 名古屋はその1分後、三都主に代えてFW杉本恵太を投入。杉本を右FWに入れて反撃を試みた。後半15分、左サイドからの折り返しをケネディが頭を合わせたが、これはやや合わず上に外れた。

 前半序盤の猛攻がうそのように、名古屋はリズムを失ってしまう。浦和はサイドバック、ボランチがうまく攻撃にからむようになり“らしさ”を発揮した。名古屋はたまらず後半12分、運動量の落ち始めたブルザノビッチに代わりFW巻佑樹を投入。前線を巻、ケネディ、杉本の3トップにし、なんとか得点機会をうかがった。

 その後も、浦和がボールを支配する時間が続く。後半24分、浦和は左からのクロスに細貝が左足ボレー。これは上に外れたが、追加点が奪えそうな雰囲気となった。後半30分には、山田がPA正面でパスを受けて左足でシュート。これは惜しくもGK楢崎にパンチングではじき出され、追加点は生まれなかった。

 後半24分、右サイドから原口がシュートを放つが、枠を外した。同35分にはエジミウソンが仕掛けて右足でシュートを放つが、GK楢崎にセーブされた。後半44分、浦和が決定機を迎えた。ポンテがドリブルで仕掛け、最後はPA内左を走りこんできた原口にラストパス。しかし、原口の左足シュートはジャストミートせず、GK楢崎の正面をついた。

 直後、浦和は柏木に代えてDFスピラノビッチを投入した。ロスタイムは4分。再び浦和はポンテに代えてMF堀之内聖を投入。守備固めに入った。名古屋に盛り返す力は残っておらず、試合はこのまま2-1で終了。浦和が3試合ぶりの勝ち点3を奪った。

(取材・文 近藤安弘)

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