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故障者続出の湘南、敗戦危機を救ったルーキーのオーバーヘッド

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[5.5 J1第10節 湘南2-2神戸 平塚]

 湘南ベルマーレのルーキーFW三平和司が値千金の同点弾を決め、勝ち点1を手にした。出場停止のDF臼井幸平に加え、DFジャーン、DF阪田章裕らを故障で欠く一戦。3バックにシステムを変更して臨んだが、この日も苦しい展開となった。

 ヴィッセル神戸は前半3分、MFボッティのパスをPA内で受けたFW都倉賢がDFを背負いながら胸トラップ。そのまま反転し、左足を振り抜き、先制点を奪った。

 湘南も前半36分に右CKにDF山口貴弘がヘディングで合わせ、同点に追いついたが、直後の同41分、セカンドボールにDF2人が重なってしまい、こぼれ球を拾った都倉に2点目を決められ、またもリードを許した。

 劣勢の試合展開で救世主になったのは大卒ルーキーだった。三平は後半25分からピッチに入ると、同33分、左サイドからFW阿部吉朗のクロスを胸トラップ。体勢を崩しながらも左足のオーバーヘッドシュートを放つと、これが前に出ていたGKの頭上をふわりと越え、ゴールマウスに吸い込まれた。

 神奈川大学在学中の08年、特別指定選手として7月27日のJ2熊本戦でゴールを決めていたが、J1ではうれしい初ゴール。今季は3月31日のナビスコ杯・清水戦に先発も、J1リーグ戦は3月20日の広島戦以来、この日が2試合目の出場。どちらも途中出場という短い出場機会で、見事に指揮官の期待に応えた。

 三平は試合後のインタビューで「勝てなかったのは残念だけど、点を取ることができて、成長の第一歩になったんじゃないかなと思う。トラップがうまくいかなくて、無理やりシュートにいったんだけど、点になってよかった」とコメント。「ベンチに入っていても、なかなか試合に出る機会がなくて、出たらやってやろうと思っていた」と力強かった。 

(文 西山紘平)

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