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[連載]南アへカウントダウン!(19)玉田が負傷交代。「軽傷を祈りたい」

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南アフリカW杯開幕まであと37日!
[5.5 J1第10節 浦和2-1名古屋 埼玉]
 
 後半開始のピッチに名古屋グランパスの日本代表FW玉田圭司の姿がなかった。MF吉村圭司との交代が場内アナウンスで告げられる。名古屋サポーター、いや、この日はNHKの地上波で中継されており、全国のサッカーファンが、その状態を気にかけたことだろう。果たして、症状は・・・。

 「アップのときから痛かった。大丈夫かなあと思ったけど、足が上がらなくなった。伸びちゃった感じ。筋肉がピリッときた。変な伸び方をした。あまり筋肉はやったことないから・・・。軽傷であることを祈りたいです」

 試合後、玉田が重い口を開いた。症状はあす以降に精密検査を受ける予定だが、初見は左大腿直筋の挫傷の疑い。つまり左足付け根の筋肉の損傷だという。

 10日のW杯日本代表メンバー発表に向け、嫌なタイミングでの負傷となった。そもそも、玉田は両足首痛から4月25日のC大阪戦で復帰したばかりだった。この日は、同じ左MFで日本代表の座を争っているみられる浦和FW田中達也もいた。気合いは入っていた。日本サッカー協会の原博実技術委員長も視察に訪れた中、いいところを見せたかったが・・・。結局、痛みに耐えきれず、ハーフタイムに自ら交代を申し出た。

 帰りのバスには松葉杖などは使わず自ら歩いて乗り込んだ。怪我の状態はW杯本大会に間に合わないような重傷ではなさそうだが、FW&サイドMFはメンバー生き残りの激戦区だけに、不安は募る。

 「W杯メンバー発表前に怪我? 目の前にあるし、意識しないことはない。だけど、Jリーグをおろそかにしたくない。次も出られるように最善を尽くしたい」。次戦は9日の仙台戦。中3日の強行日程となるが、確実にメンバーに選ばれるためには、休んでいられない。玉田は祈るような表情で、言葉を発した。

<写真>名古屋FW玉田
(取材・文 近藤安弘)

※今連載ではJリーグ取材時にW杯を目指す日本代表選手を取り上げていきます

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