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千真がミドル弾など全得点に絡む活躍。「岡田監督が来てるのは知っていた」

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[5.8 J1第11節 浦和2-3横浜FM 埼玉]
 W杯メンバー発表前、最後の節となったJリーグ。日本代表の岡田武史監督が視察に訪れた中、結果的に最もアピールしたのは横浜F・マリノスを勝利に導いたFW渡邉千真だった。
 「前を向いたらシュートを打とうと思っていた。(先制点のシュートは)うまくスパイクに当たってくれました。去年は結構、ミドルシュートを打っていて自信はあったんですけど、今年はなかったので、決められてよかったです。2点目は功治さんがドリブルで行くと思っていたので、自分は中で待っていました。うまくパスを出してくれてよかったです」
 前半6分、PA左で俊輔からパスを受けるとドリブルで仕掛けて右足を一閃。豪快に先制のミドルシュートを叩き込むと、2-2の後半15分にはMF山瀬功治がドリブルでゴールエリア内を仕掛けてお膳立てしたパスを、右足で押し込んだ。1-1の前半44分にはロングボールの競り合いでつぶれ役(ボールには触れていない)となり、MF兵藤慎剛のゴールを演出。全3ゴールに絡む活躍をみせた。
 この2得点で今季6得点とし、試合終了時点でランキングトップタイに並んだ。現状では代表入りの可能性は低いが、確実に選出されるであろう俊輔とチームメートであることや、岡田ジャパンにポストも運動量もある万能型のストライカーがいないことを考えると、代表に入ってもおかしくない人材の一人なのは間違いない。
 渡邉は実質B代表で挑んだ今年1月のアジア杯予選・イエメン戦では代表招集されているが、以降は選出されていない。本人も可能性が低いことを自覚しながらも、「選手である以上は、W杯は出たい大会。可能性は低いかもしれないけど、毎試合毎試合、自分のプレーをして、見てもらえればと思っていた。きょうも岡田監督が来ているのは知っていました。結果を出した? 岡田監督は結果だけではないと思うので。きょうはとにかく、チームが勝つように、いいプレーをしようと思っていました」と心境を明かした。
 “サプライズ枠”として浦和FW田中達也や磐田FW前田遼一に注目が集まる中、渡邉千真も忘れてはいけない一人だろう。岡田監督の中では序列が低いのかもしれないが、現在のA代表のFW陣のうち、何人かは得点という結果が出ておらず、サポーターの中では、前田や渡邉を推す声はある。運命の発表まであと2日。岡田監督の選ぶピースは、果たして---。
<写真>視察に訪れた日本代表岡田監督
(取材・文 近藤安弘)
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