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脳震盪明けの達也が初のフル出場でW杯アピール。ボンバーも「守備も頑張っていた」と評価

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[5.8 J1第11節 浦和2-3横浜FM 埼玉]

 前節の名古屋戦で軽い脳震盪を起こし前半途中に退いた浦和レッズのFW田中達也が、横浜FM戦に先発した。ゴールはなかったが今季初めて公式戦にフル出場し、完全復活を印象付けた。

 「負けてしまったので、何もいうことはないですね。いい時間帯で、決めきれなかった。W杯メンバー発表前最後の試合? ぜんぜん、意識していなかった。レッズの一員として、しっかり戦っただけです」

 2-3で競り負け、田中達也の口数は多くはなかったが、日増しに動きに切れが出てきて、W杯の日本代表メンバーに推す声が出ているのはたしかだ。前節の名古屋戦で脳震盪を起こし冷やりとさせらたが、この日はそんなことを感じさせないプレーを披露。視察に訪れた日本代表の岡田武史監督にアピールした。4-5-1の左MFに入り、サイドを上下動した。状況に応じてFWの位置にも入り、相手DFに脅威を与えた。

 前半20分にポンテの右からのパスから柏木陽介が1-1同点弾を決めたが、これは左サイドをドリブルで崩しクロスを上げ田中のプレーが起点だった。前半28分には鋭いドリブルでFKを誘うと、同31分にはPA外左約27mの位置から強烈なミドルシュートを放った。惜しくもクロスバーをかすめたが、サイドから中へ-、のプレーは岡田ジャパンに求められる左MFのスタイルにぴったりだった。

 岡田監督は、メンバー選考が迫った微妙な時期だけに選手たちに気を使い「申し訳ないが、いつものようにコメントは差し控えたい」と話したが、対戦相手の横浜FM中澤佑二は「(以前は)怪我を何回もしていたけど、その中で一生懸命やっている。守備も頑張っていたと思う」と評した。

 運命のメンバー発表まであと2日。田中は2008年以来、代表から遠ざかっており、本人も「ぜんぜん考えてないです。選ばれたらうれしいですけど。その前に自分はやらなければいけないことがたくさんある」とだけ話すにとどめたが、代表の左MFは決め手を欠く選手層なだけに期待が膨らむ。

 いずれにせよ怪我がちだった体は、GW期間中8日間で3試合の強行日程に耐え、問題ないことをアピールした。3連戦最後のこの日は気温約24度の中、フル出場もしてみせた。まさに“人事を尽くして天命を待つ”だけだ。

<写真>浦和FW田中(11番)
(取材・文 近藤安弘)
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