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F東京が終盤3分間で2点差追い付く、清水は悔い残るドロー

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[5.15 J1第12節 F東京2-2清水 味スタ]

 J1第12節は15日、各地で5試合を行い、味の素スタジアムでは前節7試合ぶりの勝利を挙げたFC東京と前節今季初黒星を喫した清水エスパルスが対戦。清水は前半26分にDF平岡康裕、後半23分にFW藤本淳吾のゴールで2点を先行したが、F東京も後半40分にDF長友佑都、同42分にMF松下年宏と終盤の連続ゴールで追いつき、2-2で引き分けた。

 F東京は4-4-2のシステムで、GK権田修一、4バックは右から長友佑都、森重真人、今野泰幸、キム・ヨングン。中盤は徳永悠平と梶山陽平のダブルボランチで、右に石川直宏、左に羽生直剛が入り、平山相太と重松健太郎が2トップを組んだ。
 清水は4-3-3で、GK西部洋平、4バックは右から辻尾真二、平岡康裕、ボスナー、児玉新と並んだ。中盤は本田拓也がアンカーで、前めに兵働昭弘と小野伸二。3トップは右から岡崎慎司、ヨンセン、藤本淳吾だった。

 立ち上がりはF東京が出足良く試合の主導権を握った。高い位置からプレッシャーをかけ、右サイドの石川、長友が積極的な仕掛けからチャンスを伺う。特に石川は再三ファウルをもらい、立て続けにセットプレーのチャンスをつかんだが、これを生かし切れなかった。

 前半13分、平山がドリブルで持ち込み、ミドルシュートを狙ったが、ゴール右へ。同24分には石川が相手ゴールライン際でボールを奪い、すかさずゴール前にクロスを送ったが、GK西部が間一髪のところでクリアした。

 序盤の劣勢の時間帯を耐えて我慢した清水。前半26分、セットプレーからのワンチャンスを生かした。右後方からの小野のFKに合わせたのは平岡。打点の高い強烈なヘディングシュートを叩き込み、清水が先制した。

 これでリズムをつかんだ清水は前半29分にもカウンターから岡崎が持ち上がり、ヨンセン、小野とつないで最後は小野がシュート。同32分には兵働の左クロスからヨンセンがゴール前で決定機を迎えたが、惜しくも決め切れなかった。

 F東京も前半37分、平山がゴール前で粘って左足で強烈なシュートを放つもGK西部の好守に阻まれ、前半は0-1で折り返した。

 後半7分に重松に代えてFWリカルジーニョを投入したF東京は攻撃の圧力を強める。同13分にはPA内から長友が狙うが、惜しくも外側のサイドネット。同14分には羽生に代わってFW赤嶺真吾がピッチに入り、さらに攻撃の枚数を増やした。

 清水は後半12分に小野を下げてMF山本真希を投入。なんとか流れを変えたいが、F東京に押し込まれる時間が続いた。

 F東京は後半21分、リカルジーニョの左クロスに赤嶺がフリーで合わせたが、ヘディングシュートはゴール左へ。決定的なチャンスを逃すと、またもセットプレー1本でやられた。

 清水は後半23分にゴール正面やや右、約25mの距離でFKのチャンスを獲得。これを藤本が左足で直接狙うと、きれいなカーブを描いたシュートはゴール右上に突き刺さった。粘り強く守って、少ないチャンスを生かす。清水が理想的な試合運びで2-0とリードを広げた。

 あとのなくなったF東京は後半28分、石川に代えてMF松下年宏を投入し、最後のカードを切る。松下は左サイドバックに入り、4バックは右から徳永、森重、キム、松下に変化。中盤は梶山の1ボランチで、2列目に右から長友、平山、今野、リカルジーニョと並び、赤嶺の1トップという4-1-4-1で反撃を狙った。

 F東京は後半37分、リカルジーニョの左クロスから平山が決定機を迎えるも、GK西部が体を張ってボールを抑え、ゴールを許さない。同39分にはキムが強烈なミドルシュート。これも西部が弾いたが、このプレーで獲得したCKから1点を返す。

 松下の左CKを西部がパンチングすると、その跳ね返りをPA外から長友が右足ダイレクトボレー。強烈なシュートがニアサイドを破った。

 さらに直後の後半42分、カウンターから長友が持ち上がり、右サイドの赤嶺に展開すると、赤嶺のクロスをDFが弾いたこぼれ球を松下が蹴り込み、わずか3分間で同点に追い付いた。

 まさかの連続失点で2点のリードを失った清水は後半ロスタイムにヨンセンに代えてFW永井雄一郎を投入したが、3点目は奪えず、2-2の悔しい引き分けに終わった。

<写真>同点ゴールを決めたF東京MF松下
(取材・文 西山紘平)

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