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左SBで緊急出場、松下の移籍後初ゴールでF東京は劇的ドロー

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[5.15 J1第12節 F東京2-2清水 味スタ]

 FC東京は0-2の後半40分からの3分間で2得点を奪い、引き分けに持ち込んだ。立役者はMF松下年宏だ。後半27分からピッチに入ると、ポジションは中盤ではなく、4-1-4-1の左サイドバック。DFキム・ヨングンがセンターバックにスライドし、DF今野泰幸とDF長友佑都が2列目へ。このポジション変更が奏功し、ゴールに向かう圧力が強まった。

 後半40分、松下の左CKをGK西部洋平がパンチングすると、長友が右足ダイレクトボレーで叩き、まず1点。さらに2分後の同42分、FW赤嶺真吾の右クロスを相手DFが弾いたこぼれ球を松下が右足で蹴り込んだ。

 「ふかさないように気を付けて、地面に叩き付けようとした」と松下。ボテボテのシュートは当たり損ねにも見えたが、「みんなにも言われたけど、自分としては全然当たり損ねじゃない。狙い通りです」と胸を張った。

 起死回生の同点弾を含む2得点を演出。「移籍してきて、ここまで結果を出せてなかった。ホッとしているし、勝ち点1だったのは残念だけど、試合は続くし、これからもどんどん結果を出せるようにしたい」と笑顔を見せていた。

 今季新潟から加入した松下は開幕から3試合連続で先発したが、その後はベンチとスタメンを行き来する試合が続いた。第4節以降の9試合で先発したのはわずかに3試合。この日も与えられた時間は28分間で、しかもポジションは本職とは違う左サイドバック。その中で最高の結果を残した。

 「やることが少しずつ理解できてきて、それをプレーでも出せるようになってきた。気持ちの面も大きいと思う。今はやってやろうという思いでいる」

 中断までの12試合は3勝5分4敗。優勝を狙うチームとしては到底満足できない成績だったが、新戦力である松下が見せた可能性は間違いなく中断明けの7月以降にもつながるはずだ。

<写真>F東京MF松下
(取材・文 西山紘平)

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