beacon

3試合ぶり復帰のF東京・権田が好セーブ連発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.28 J1第15節 F東京1-1磐田 国立]

 外傷性頚髄性神経根症で離脱していたFC東京のGK権田修一が、3試合ぶりに先発復帰を果たし、ファインセーブを連発した。倍以上の15本のシュートを放たれ、負ける可能性もあった試合を、引き分けに持ち込む立役者となった。

 「(復帰戦のため)思いは強いものがあった。チームは前節勝っていて、勢いがついているところで、それでも監督は僕を出してくれた。それに応えられなくて悔しい。(失点の場面も)自分がなんとかできたと思う」

 権田の表情には、試合に復帰できた喜びはまったくなかった。後半6分、DF那須大亮にヘディングシュートされ、自らの上を超えていった。その後、味方のクリアミスでオウンゴールで1失点。権田のせいとはいえないプレーだったが、責任を口にした。

 だがそれ以外の、権田のファインセーブがなければ、負けた可能性が高い試合でもあった。前半14分、元日本代表FW前田遼一のヘディングシュートを鋭く反応して防いだ。まさに間一髪のセーブ。入ってもおかしくない一撃をセーブし、一気に波に乗った。久しぶりとは思えない動きで、ゴールに鍵をかけた。

 後半6分の失点後も、ショックを引きずることなく、ゴールマウスに仁王立ちした。後半15分のMFジウシーニョの左45度のシュート、同24分の成岡翔のPA右からのシュート、同24分のセットプレーのこぼれ球からのシュートと、いずれも失点してもおかしくないコースのボールだったが、しっかりと弾き出してみせた。

 「勝ち点3取れた試合だったので悔しい。大黒さんが点を取ってくれた直後だったので、絶対にやってはいけない失点だった。チームで反省してやっていかないといけない」と権田。指揮官の期待、そして、勝利の試合のあとにスタメンを奪われた先輩、塩田仁史の思いのためにも、次こそは、勝利につながるセービングを見せる-。若き守護神は、そんな想いでいっぱいだった。

<写真>好セーブを連発したF東京GK権田
(取材・文 近藤安弘)

TOP