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横浜FM、清水撃破の勢いはどこへ?木村監督「勝つ気があるのか!というくらい悔しい」

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[8.17 J1第19節 横浜FM0-1山形 ニッパ球]

 横浜F・マリノスは圧倒的に中盤を支配し、シュート数も2倍以上の14本(山形は6本)と押し込んだが、0-1で敗れた。前節、清水を2-1で下して首位から陥落させたあとの試合で、それも順位が下の山形だっただけに、痛い敗戦となった。

 木村和司監督は「山形のサッカーにまんまとはまった。こんなサッカーをしていたら、いつまでたっても優勝争いに絡めない。勝つ気があるのか!というくらい悔しい」と記者会見で怒りをあらわにした。

 サッカーは、ボールをまわしただけでは勝てない。ゴールを奪わなければダメだ。この日は山形が相手ということもあり、横浜FMはいつも以上にボールが回せた。だが指揮官はこれを危惧し、ハーフタイムに「ボールキープゲームにならないように」とゲキを飛ばし、もっとシュートを打つよう指示したが、選手たちがなかなか実践できなかった。

 後半開始直後こそ、攻撃にスピード感が出たが、15分すぎでダウンした。最後の約10分間は攻撃能力の高いCBの栗原勇蔵をセンターフォワードに入れて、ゴールへの執念を見せたが、報われなかった。ゴール前で何度も競り勝ち、攻撃に迫力を加えた栗原は「ゴールが入らないと意味がない。相手の思うつぼにはまってしまった。うちがやりたいことをやられた。下位のチームに負けていたら、清水に勝った意味がない」と嘆いた。

 シュート数こそ計14本だったが、山瀬功治と長谷川アーリアジャスールの先発2トップでは山瀬の2本のみだった。セットプレーが中心とはいえ、栗原が2本、中澤佑二が2本とDFと同レベルでは苦しい。

 中村俊輔は「もっとシンプルに? そうだね。シュートが打ててない。ボールを持てちゃうから、ボールを持っている人に集まってる。でもたとえば、山瀬が外でボールを持ったら、フォローに集まるんじゃなくて、中へいかないと。センタリングを上げようにも、人が少ない。シュートの意識が少ない」と苦言を呈し、課題を挙げた。

 ゴールに向かう姿勢を評価されている17歳FW小野裕二は腰痛でここ2試合を欠場した。2トップは、連戦の疲労を考慮して山瀬に長谷川、そして渡邉千真や坂田大輔らで“ターンオーバー制”を敷くが、この日ばかりは決定力不足に泣いてしまった。

<写真>横浜FM木村監督
(取材・文 近藤安弘)

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