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川崎F、助っ人陣が爆発し名古屋に4-0。首位まで3差!!!

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[8.18 J1第19節 川崎F4-0名古屋 等々力]

 J1第19節は18日に2日目が行われ、神奈川・等々力陸上競技場では4位の川崎フロンターレと首位の名古屋グランパスが激突した。勝ち点差6で迎えた上位決戦は、川崎FがMFヴィトール・ジュニオールの2発など攻撃陣が爆発し4-0で快勝。順位は4位のままだが、ついに首位に3差に迫った。

 川崎Fは4-4-2を採用。右SBには森勇介ではなく、名古屋の高さ対策として183cmのCB伊藤宏樹が抜擢された。GKは相澤貴志、DFラインは右から伊藤宏樹、井川祐輔、菊地光将、小宮山尊信。中盤はボランチが稲本潤一と中村憲剛、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップはジュニーニョと黒津勝だった。

 対する名古屋は4-3-3を採用。GKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。中盤はアンカーがダニルソンで、2列目はブルザノビッチとマギヌンが入った。3トップは右から金崎夢生、ケネディ、玉田圭司だった。

 ともに中盤でパスを回して攻めようとした。川崎Fは中村憲剛、V・ジュニオールを起点に仕掛ける。対する名古屋はマギヌンを起点に左の玉田、右の金崎が絡んでチャンスを作ろうとした。しかし気温30.5度、湿度68%の暑さで両軍ともにミスが目立った。

 最初の好機を迎えたのは川崎F。前半5分、左PA内をV・ジュニオールが侵入してラストパス。これを中央の田坂が左足でシュートしたが、上に浮かしてしまった。その3分後、名古屋が反撃。マギヌンが絶妙な左クロスを入れ、玉田が飛び込んだ。しかし、ヘディングシュートは相手をかすめてCKとなった。

 名古屋はその後、ケネディの高さを活かすため、よりサイド攻撃にシフトした。そして前半20分、阿部の左クロスをファーサイドでケネディがヘディングで落とし、これに玉田が右足をあわせる。しかし、ジャストミートせずに上に外した。

 川崎FはV・ジュニオールが得意のドリブル、スピードを活かして攻め込む。アグレッシブにプレーしていたが、これが報われた。前半36分、田坂祐介のスルーパスをヴィトール・ジュニオールがPA正面で受け、阿部を振り切って左足を一閃。ゴール右下に突き刺し、貴重な先制点をもたらした。

 失点で目が覚めたのか、名古屋が猛攻を仕掛ける。前半39分、左クロスからブルザノビッチがヘディングシュート。しかし、これはGK相澤にセーブされた。前半42分にはケネディの落としから金崎が右足を一閃。これもわずかに左に外れてゴールはならなかった。そして前半45分、阿部の左クロスをケネディがどんぴしゃヘッドで合わせた。ゴール左に入るかに思われたが、なんとカバーに入っていた井川祐輔に間一髪でクリアされてしまった。

 後半、ともにやや中盤が間延びし、カウンターの仕掛け合いとなった。だが、パスミスが目立ち、決定機をなかなか作れない。特に名古屋にミスが増え、後半5分過ぎからは川崎Fがリズムを握った。

 名古屋は後半13分、ダニルソンに代えてMF中村直志を投入した。その1分後、PA内左でマギヌンが井川に倒されたが、PKの判定はなかった。そして後半15分、名古屋が決定機を迎えた。

 CKのこぼれ球からケネディがPA内右へ。これを闘莉王がヘディングで折り返し、ファーサイドの玉田がトラップから右足でジャンピングシュート。しかし、相手DFの寄せに戸惑いミートを失敗。ボールは再度、ゴール前にこぼれたが、これも詰め切れなかった。

 川崎Fは後半18分、前半から守備に奔走して疲れ気味だった稲本に代えてMF横山知伸を入れた。名古屋も同じ時間、ブルザノビッチに代えてMF小川佳純を送り出した。

 後半19分、川崎Fが大きな大きな追加点を挙げた。ショートカウンターから黒津勝が右サイドを突破。阿部らを振り切りPA内右に侵入してグラウンダーのクロス。これを中央でヴィトール・ジュニオールが右足を合わせて2点目をゲット。2-0とリードを広げた。

 川崎Fは追加点から1分後、井川に代えてDF佐原秀樹を投入。守備面でフレッシュな選手を送り出した。名古屋も後半22分、マギヌンに代えてMF三都主アレサンドロを投入。これで名古屋は3枚目の交代カードとなったが、反撃の起爆剤として、元日本代表の左足に賭けた形だ。

 しかし、名古屋に悪夢が訪れた。後半26分、DF増川隆洋が黒津の突破を足を引っ掛けて倒してしまい、2枚目の警告を受けて退場となった。2点ビハインド中で10人で戦うという窮地に陥った。

 川崎Fがボールを支配する。そして後半33分、ジュニーニョが左サイドを突破してPA内に侵入。右足のシュートは田中にブロックされたが、こぼれ球を黒津がシュート。フリーだったが、外してしまった。それでも勢いは止まらない。後半35分、中盤で中村憲剛がボールカットし、左の小宮山へ。そのまま仕掛けて突進し、ジュニーニョへリターンパス。エースは落ち着いてゴール右に沈め、ダメ押しとなる3ゴール目を決めた。

 川崎Fは後半36分、ジュニーニョに代えてMF谷口博之を投入。ボランチに入り、守備を引き締めた。このまま終わるかと思われたが、川崎Fがまたまたゴールを奪った。後半41分、PA右で田坂祐介が右足ミドルシュートを放つ。これが闘莉王をかすめてコースが変わりゴールイン。予想外といえる4-0のスコアになった。試合はそのまま終了。川崎Fが優勝に向けて大きな一勝をつかんだ。

<写真>川崎F・FWジュニーニョ(10番)とヴィトール・ジュニオール(11番)

(取材・文 近藤安弘)

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