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相性の良さは健在! 浦和が対F東京戦に8連勝。F東京は8戦勝ちなしで降格圏が目前……

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[9.12 J1第22節 F東京0-1浦和 味スタ]
 J1第22節の2日目が12日に行われ、東京・味の素スタジアムでは14位のFC東京と10位の浦和レッズが対戦した。ともに負けられない一戦は、浦和が後半にPKで1点をもぎ取り1-0勝利。対F東京戦でリーグ戦8連勝&J公式戦14試合連続負けなしとした。F東京はリーグ戦8戦連続勝ち星なしで降格圏が目前となった。
 F東京は新システムの4-1-2-3を採用。GKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、徳永悠平、森重真人、中村北斗。中盤はアンカーに高橋秀人、2列目は右から鈴木達也、梶山陽平、羽生直剛、リカルジーニョが入り、1トップは大黒将志が務めた。F東京は8日にナビスコ杯・清水戦を行い中3日だったが、同じメンバーだった。日本代表の今野泰幸は怪我明けのためベンチスタートだった。
 浦和は4-5-1を採用。コチラは怪我人が多く、中盤より前は顔ぶれが変わった。GKは山岸範宏、DFラインは右から平川忠亮、山田暢久、スピラノビッチ、サヌ。中盤はボランチに細貝萌と柏木陽介、2列目には右から高橋峻希、ポンテ、原口元気が入った。1トップはエジミウソンが務めた。
 立ち上がりは、前からプレスに行ったF東京がリズムを作った。前半8分、奪ってからの速い攻めで梶山が右の鈴木へ。中の大黒に合わせようと折り返したが、わずかに合わなかった。その3分後には右からのクロスを大黒が落とし、これを梶山が左足でゴールネットに突き刺したが、あきらかに大黒がオフサイドで、無効と判定された。
 15分すぎから浦和がペースを握り返す。ポンテとエジミウソンがうまく絡み、バイタルエリアに侵入しようとした。この頃、F東京にアクシデントが起こる。左下腿部筋々膜炎から復帰したばかりの羽生が再発させたのか、動きが落ちた。そして前半20分、同じく怪我明けの今野泰幸と交代。今野は2列目中央に入った。
 浦和のペースは続き、前半29分に決定機を迎える。梶山とリカルジーニョの連携ミスからボールを奪いショートカウンターへ。左サイド、エジミウソンが仕掛けてクロスを入れる。これにサヌが飛び込んで頭を合わせるが、わずかに上に外れた。
 なかなかボールを支配できないF東京は前半37分、早くも2枚目のカードを切った。アンカーの高橋に代えてMF石川直宏を投入。同時にシステムを4-4-2に戻し、大黒とリカルジーニヨに2トップ、右MF石川、左MF鈴木、ダブルボランチにCBだった徳永と梶山が組んだ。今野はCBに下がった。
 それでも、完全にはペースを奪い返せない。前半40分には浦和にパスをつながれ、最後はPA正面からポンテにシュートを打たれる。わずかに左に外れたが、危ない場面だった。前半45分、F東京はカウンターからチャンスを得た。梶山が中央を突進。左右にパスコースがあったが、オトリに使ってPA正面で左足を一閃。狙いしまして丁寧に蹴ったが、惜しくも左ポストに阻まされてしまった。
 0-0で後半がスタート。序盤、ホームのF東京がやや息を吹き返す。石川のスピードと思い切りの良さを活かして、攻撃を組み立てた。対する浦和は前半同様の戦いを進めていた。だが、相手の勢いにおされ気味だった。そんな中、浦和は後半11分、疲れが見えていた山田に代えて坪井慶介を投入。守備を引き締めた。
 後半13分、浦和の柏木がPA右でのこぼれ球に反応し、左足を一閃。惜しいシュートだったが、わずかにGK権田に触られ、CKに逃れられた。F東京も反撃。同15分、梶山が右サイドへ展開し、石川が仕掛けてクロス。これに椋原が走り込んでダイビングヘッドしたが、GK山岸のファインセーブに防がれた。
 後半20分、浦和にビッグチャンスが舞い込み、大きな先制に成功した。柏木がPA正面のエジミウソンに縦パス。エースはすぐ横にいた原口に落とし、原口が突進。するとF東京・森重真人に倒され、PKをゲットした。これを同21分、キッカーのポンテがきっちりと沈めた。これで浦和が再び、ややリズムを取り戻した。
 F東京は後半22分、3枚目のカードを切る。リカルジーニョに代えてFW平山相太を投入した。その後、一進一退の攻防が続く、浦和は同33分、エジミウソンに代えて堀之内聖を投入。さらにその1分後、原口に代えてFW高崎寛之を送り出した。
 F東京は後半37分に惜しいシュートを放った。鈴木の左CKがファーにこぼれ、徳永が強烈な右足シュート。しかし、力みすぎたのか、クロスバーに直撃させてしまった。そんな中、不運が訪れる。後半38分、鈴木達也が接触プレーで倒されて負傷しプレー続行が不可能に。F東京は交代枠を使い切ってしまったため、10人での戦いとなった。
 ロスタイムは4分。F東京は一人少ないながら、CBの今野を前線に上げるなど前に人数をかけた。終了間際、左サイドからの石川のロングスローがファーまでこぼれ、今野の足元に転がったが、しかし、相手に詰め寄られたこともあり空振り……。浦和は全員が粘り強く守って跳ね返した。ともに故障者を抱え苦しい状況にあったが、近年の相性どおり浦和が1-0で勝利した。
(取材・文 近藤安弘)

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