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“裏天王山”はF東京が3-0快勝! 11戦ぶり白星で残留圏の15位に浮上!!!

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[10.3 J1第25節 F東京3-0湘南 国立]

 J1第25節の2日目は3日、各地で2試合が行われ、東京・国立競技場では16位FC東京と18位湘南ベルマーレが対戦した。J1残留に向けた“裏天王山”となった一戦は、F東京が3-0で11試合ぶりの白星をつかんだ。大熊清新監督体制下で初勝利して勝ち点を24に伸ばし、神戸を抜いてJ1残留圏内の15位に浮上した。湘南は12戦(3分9敗)勝ち星なしとなった。

 F東京は前節と同じメンバー。4-4-2を採用しGK権田修一、DFラインは右から椋原健太、 今野泰幸、キム・ヨングン、中村北斗。ボランチは森重真人と徳永悠平、2列目は右に石川直宏、左にリカルジーニョが入った。2トップは平山相太と大黒将志が組んだ。

 湘南は4-3-3を採用。GKは野澤洋輔、DFラインは右から臼井幸平、村松大輔、山口貴弘、鈴木伸貴。中盤はアンカーにハン・グギョン、2列目に寺川能人と坂本紘司が入った。3トップは右からエメルソン、馬場賢治、阿部吉朗が入った。

 F東京は10試合、湘南は11試合勝利がなく、ともに苦しい状況下で迎えた“裏天王山”だった。どちらも負けられない中、立ち上がりは地力で勝るF東京がボールをつないで、サイド、そして中央の平山を使って押し込んだ。

 開始3分、石川の右CKに徳永がPA中央で右足を合わせたが、これはミートしなかった。その1分後、湘南が速い攻めと細かいパスを使って反撃。左サイドを攻略し最後は坂本が左足シュートを放ったが、これはDFをかすめて枠を外した。

 その後もF東京が石川のスピードや森重の攻め上がり、平山のポストプレーを組み合わせてボールをつなぐが、湘南がしっかりとブロックを作って守り、バイタルエリアを攻略できない。そんな中、湘南が縦パスを有効活用し、押し込む時間帯が出てきた。

 前半29分、寺川が約25mの強烈ミドルでリズムを作ると、直後に2連続でチャンスを作った。前半32分、カウンターから馬場がゴールへ突進。最後は寺川に落とし、中央やや右からシュート。ジャストミートしたが、これはクロスバーを叩いた。こぼれ球にエメルソンが反応したが、DFに防がれた。その1分後、右サイドを攻略して最後は坂本がミドルシュートを放ったが、決められなかった。

 これで再び流れがF東京へ傾く。そして2分間で2ゴールを奪った。前半38分、石川の右CKを中央で今野が頭で落とし、バウンドボールに大黒将志が反応。GK野澤よりも一瞬早く左ボレーを繰り出してゴールネットに突き刺した。大黒の10試合ぶりゴールで先制して国立が沸くと、歓喜の余韻が残るその1分後、こんどは左サイドをリカルジーニョが攻め込み、平山へ横パス。平山は走り込んだ石川直宏に丁寧に落とし、石川は右足の強烈ミドルシュートを決めた。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が視察に訪れた中、元代表組が意地を見せて2-0とした。

 後半、開始からF東京が積極的に前から仕掛け、リズムを握る。同6分、右サイドを攻めて最後は平山がシュート。これは力なくGK野澤の正面を突いた。さらに同10分、森重が中央を突破して大黒に横パス。DFを交わしながら右足でシュートしたが、これはジャストミートせずGK野澤にセーブされた。

 何とか反撃したい湘南は立て続けに交代のカードを切った。後半20分、寺川に代えて中大からの特別指定選手で守備に定評のあるMF永木亮太を投入。その1分後には馬場に代えてスピードとゴール嗅覚に優れるFW新居辰基を送り出した。

 交代がうまくはまったのか、後半26分、湘南が好機を迎える。中央やや右を攻め込み、最後は永木がスルーパス。これを坂本がDFの裏を取って抜け出し、GKと1対1となったが、左足のシュートは権田にセーブされてしまった。

 F東京は後半27分、森重に代えて松下年宏を投入。さらに同32分には石川に代えてFW重松健太郎を送り出した。湘南も後半29分、3枚目の交代カードとして、坂本に代えてFW中村祐也を投入した。

 終盤、F東京が完全にボールを支配する。そして後半39分、勝利を決定付ける3点目を奪った。左サイドでリカルジーニョがボールを受けてドリブル突進。DF一人を交わしてPA内左に侵入すると、右足を振り抜いて低いシュートで右のサイドネットに沈めた。

 F東京は後半42分、大黒に代えてFW前田俊介を投入。ボールキープできる選手を入れて、試合を落ち着かせようとした。湘南も最後まであきらめずにファイトしたが、ゴールは遠かった。3-0でF東京が7月25日の湘南戦以来11試合ぶりの勝利をつかみ、長いトンネルから抜け出した。

(取材・文 近藤安弘)

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