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C大阪が4発快勝でACL争い混戦! 最終節、勝ち点1差で鹿島、G大阪、C大阪の三つ巴に

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[11.28 J1第33節 湘南0-4C大阪 平塚]

 J1第33節の2日目は各地で2試合を行い、平塚競技場では湘南ベルマーレセレッソ大阪が激突した。4位のC大阪は負ければACL出場が消滅する状況だったが、後半8分のDF丸橋祐介のブレ球ミドル弾などで4-0大勝し、勝ち点を58に伸ばした。この日京都に勝利した2位鹿島、3位G大阪とは勝ち点1差で、ACL出場権争いは最終節にこの3クラブによる三つ巴となった。

 湘南は4-1-4-1システムを採用。GKは野澤洋輔、DFラインは右から臼井幸平、村松大輔、阪田章裕、島村毅。アンカーはハン・グギョン、ボランチは永木亮太と坂本紘司が入った。右MFは寺川能人、左MFはエメルソン、1トップは阿部吉朗が務めた。

 対するC大阪は4-5-1を採用。GKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から酒本憲幸、茂庭照幸、上本大海、丸橋祐介。ダブルボランチはアマラウとマルチネスが組み、2列目は右から清武弘嗣、家長昭博、乾貴士が入った。1トップはアドリアーノが務めた。

 立ち上がりは非常にスローペースで試合が進んだ。C大阪がボールを保持したが、ゴール前はドリブルが多めで、湘南がしっかりと人数を揃えて守った。湘南は縦への意識を強く持って攻めようとするが、ゴール前にかける人数が少なく、バイタルエリアまで侵入できなかった。

 その後、徐々にC大阪がペースアップし、チャンスを作る。前半20分、右からの酒本のクロスに、アドリアーノがファーでオーバヘッドシュート。右足をしっかりとミートさせたが、これはわずかに外れて右ポストを叩いた。同29分には家長が中央を仕掛けて浮き球パス。アドリアーノがうまく抜け出したが、トラップミスした。

 湘南はエメルソンのキープから阿部が抜け出したり、寺川が右サイドを果敢に仕掛けるが、決定機を作るまでには至らない。とはいえC大阪も崩しきることはできない。前半38分、右CKに家長が飛び込み頭を合わせるが、左に外れた。前半はこのまま0-0で折り返した。

 後半、C大阪は開始5分にアマラウがミドルシュートを放つなど遠目から積極的にゴールを狙った。この姿勢がチーム全体にあり、大きな先制点が生まれた。後半8分、中央約25m付近で戻りのパスを受けた丸橋祐介が左足を一閃。強烈な一撃はブレ球となり、GK野澤の手を弾いてゴール右に突き刺さった。ロンドン五輪世代の左SBの今季2点目が、ACLへの可能性をつなげる一発になった。
 
 これでC大阪が勢いに乗る。後半17分にはPA右で得たFKを、トリックプレーからアマラウが右足のグラウンダーシュート。壁に当たって入り追加点を奪うと、その3分後には左サイドを攻略し、最後は乾がPA内左でDFを引きつけて駆け上がってきたマルチネスへ。背番号「10」は丁寧に左足ダイレクトで沈め、一気に3-0と突き放した。

 ホーム最終戦のため、少しでも意地を見せたい湘南は後半22分、エメルソンに代えてFW馬場賢治を送り出した。さらに同29分には寺川に代えてドリブラーのFW中村祐也を投入し反撃を狙った。

 湘南は交代策がうまくいき、遠目が多いがシュートまでいく回数が増えた。さらに流れを変えようと、後半36分、坂本に代えて初出場となるFWチェ・スンインを投入した。釜山ユースから来た19歳で、若き才能にゴールを託した。

 C大阪は後半39分、運動量の落ちていたマルチネスに代えてMF羽田憲司を投入。守備の引き締めを行った。そんな中、ラッキーな形でC大阪が追加点を奪った。後半43分、右サイドを乾がドリブルで仕掛けてクロス。これをクリアに行ったDF阪田がオウンゴールし4-0となった。

 C大阪は後半44分、家長に代えてFW小松塁、アドリアーノに代えてFW永井龍を投入し、出番の少ない選手に経験を積ませる余裕を見せた。試合はそのまま終了。C大阪が最終節・磐田戦での逆転ACLに望みをつないだ。湘南はこれで7連敗で、20試合連続勝利なし(4分16敗)となった。

 湘南は試合後、ホーム最終戦のためセレモニーを行ったが、反町康治監督は「(今季は)恥ずかしい結果ではありますが、一生懸命トレーニングして、一生懸命やった結果です。これは恥ずかしいとは思っていない。壁は厚いですが、一つずつ打ち砕いていきたい」と来季の巻き返しを誓っていた。

(取材・文 近藤安弘)

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