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「自分たちの方が強い」、栃木が敵地の首位攻防戦で自信のドロー

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[6.26 J2第18節 千葉2-2栃木 フクアリ]

 エースの2発で栃木SCが首位を守った。敵地での首位攻防直接対決。FWリカルド・ロボが3戦連発となる先制点と同点弾で千葉のホーム連勝を5でストップし、勝ち点1を分け合った。

「直接対決だったので、勝ち点1を取って首位をキープできたことは評価できると思う」。2得点のロボは胸を張った。電光石火の一撃だった。前半2分、DF大久保裕樹のロングスローをFW崔根植が頭でそらしたボールを右足で押し込み、先制点。一度は逆転されたが、前半40分にもゴール前混戦から左足を振り抜き、同点に追い付いた。

 昇格候補筆頭とも目される千葉との今季初対決。FWオーロイは出場停止で不在だったが、これまで戦ってきた相手とはひと味違った。MF高木和正は「今までで一番相手の時間帯が長かった」と指摘する。シンプルに前線にロングボールを放り込んでくる相手に付き合うことなく、パスを回して攻撃を組み立てようとしたが、雨でスリッピーなグラウンドがミスを誘発し、思うようにつなげなかった。

 結果、蹴り合いの展開となったのはプランとは違ったが、それでも栃木らしい粘り強さは残っていた。MF水沼宏太は「相手はオーロイがいても、いなくても同じようなやり方だった。蹴り合いにならず、恐れずにパスを回すシーンをもっと増やせれば、もっと主導権を握れたと思う」と反省しながらも「あまりつなげなかったので、セカンドボールを拾うことだけを意識してやろうと試合の中で話し合った」と言う。

「栃木らしく、いい守備から入って、全体をコンパクトにして。ロングボールを蹴られてもセカンドボールを拾って攻撃を仕掛けることができた」。試合の状況に応じて柔軟に戦い方を変える。シュート数は18本対12本。勝利に値した試合とは言えないまでも、敵地でつかんだ勝ち点1は伸び盛りのチームにとってさらなる自信になりそうだ。

「最低限の結果は残せた。次につながる試合だったと思う」。水沼がそう言えば、試合前から「栃木の方が千葉よりも強い」と自信を見せていたロボは「100%、証明できたわけではないが、自分たちの方が強いという意見は試合が終わったあとも変わっていない」と力を込めた。連勝は2で止まったが、これで5戦負けなし(3勝2分)。悲願のJ1昇格へ、この日の勝ち点1を次節以降につなげていく。

[写真]ゴールに沸く栃木の選手たち

(取材・文 西山紘平)

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