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マリノス渡邉が史上2人目の大卒開幕ゴール!!

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[3.7 J1第1節 横浜FM2-4広島 日産ス]

 アッという間のゴールショーだった。横浜F・マリノスの新人FW渡邉千真(22)が、7日の開幕戦(vsサンフレッチェ広島)でプロ入り初出場にして初ゴールを決めた。大卒ルーキーが開幕戦で得点を決めたのは、96年のMF望月重良(当時名古屋)以来、Jリーグ史上2人目。早稲田大卒の期待のルーキーがマリノス史上初の快挙を成し遂げた。

 その瞬間は前半3分に訪れた。MF清水範久が右サイドから中へ入れるとFW兵藤慎剛がPA真中のFW狩野健太へ繋ぐ。狩野がヘディングでゴール前のスペースへ落とすと、渡邉はDF青山、ストヤノフのマークを振り切って右足でゴール左隅に流し込んだ。「健太(狩野)から良いボールが来たので、無我夢中に打ったら入りました」。このメモリアルゴールをお膳立てした兵藤は国見高、早稲田大の1年先輩。2人は04年の高校選手権で全国の頂に立った間柄で、この日は渡邉がワントップに、そして兵藤は左シャドーに入った。高校、大学の仲間と同チームで、しかも開幕にフル出場できたことに「とても嬉しい。今日は余り深いことを考えずに落ち着こうと思っていた」と笑顔を見せた。

 渡邉の得点感覚には目を見張るものがある。高校のインターハイでは、2年時に先輩である平山相太(FC東京)を差し置いて得点王に輝き、早稲田大では06、07年と連続で関東サッカーリーグの得点王を獲得。「無我夢中に打った」と話した渡邉だが、話を聞いていくと、狙い澄ましたシュートだったことが分かった。「僕はシュートを打つ前まで持ち込めば、シュートを入れることができる。それは自信がある。今日もボールが来たときワントラップして、左隅を意識した。狙い通り決められました」。リーグ開幕戦にしてプロ初出場を果たし、24000人が集結したスタジアムで、期待通りのゴールをあげた渡邉だが、この90分間で課題も見つかった。「ボールの貰い方が良くなかった。得点した以外は、球に絡めなかったし(ボールを)とられる場面も多かった。これは課題です。(今日の自分に点数を付けるとしたら)チームも勝てなかったので50点くらい」。そう語った渡邉の開幕戦は、甘くも苦くもあった。14日の清水エスパルス戦に向けて、挑戦は続く。

<写真>横浜FM・FW渡邉
(取材・文 山口雄人)

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