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我慢も84分が限界、10人の京都は逆転負け

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[4.4 J1第4節 鹿島2-1京都 カシマ]

 後半途中までは京都サンガF.C.にとって狙い通りの展開だった。中盤で厳しくプレスをかけ、最終ラインが粘り強くはね返す。王者・鹿島を相手にアウェーのサッカーに徹底し、カウンターで数少ないチャンスを狙った。

 後半13分にはMF佐藤勇人のくさびのパスを受けたFW豊田陽平が体を張って粘り、後方から走り込んだMFディエゴがこぼれ球を拾ってゴール前に抜け出し、左足で先制点を奪った。

 「ある程度、来させて中盤でプレスをかければ、鹿島でもボールを下げるし、ロングパスでミスもあった。そうしていれば問題はなかった」と佐藤は振り返る。3トップに変更して前がかりになった鹿島が攻めあぐねていたのも事実。落ち着いてカウンターを仕掛ければ、さらなる追加点のチャンスもあったはずだった。しかし、鹿島の圧力に押されて最終ラインがずるずると下がり、プレスがかからなくなったことで終盤はサンドバック状態だった。

 1-0で耐えていた後半35分に佐藤が2枚目の警告で退場し、数的不利になったことも逆転負けの要因だが、その前から破たんの兆しはあった。佐藤が「賢いサッカーができなかった」と言うように、自分たちから鹿島の猛攻を誘ってしまった部分もあった。

 DF水本裕貴は「サッカーは90分の勝負。84分狙い通りのサッカーをしても、結果がこれだから。鹿島には勝負強さがあるし、自分たちも見習って今後に生かしたい」と悔しさを隠せなかった。

(取材・文 西山紘平)

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