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因縁の豊田でプロ初ゴール、17歳原口「味方に感謝」

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[4.12 J1第5節 名古屋0-1浦和 豊田ス]

 大迫には負けない。浦和レッズのFW原口元気(17)がプロ初ゴールをマークした。この日は鹿島のFW大迫勇也(18)もリーグ戦初ゴール。大迫より1歳下、現役高校生Jリーガーの原口が、3時間後にキックオフされた試合であとに続いた。

 前半22分、突然出番がやってきた。先発したFW田中達也に代わってピッチへ。「突然だったんで驚いたけど、出るからにはやらないといけないと思った。指示? 突然だったんで。早く行けっていう感じで」。試合後のインタビューでそう語った原口。戸惑いの中、ゲームに入ったが、すぐに落ち着いた。

 前半34分には左サイドからカットインして右足でシュート。得意の形でリズムをつかむと、前半43分、運命の時が訪れる。MFポンテのフィードをDF田中マルクス闘莉王が頭で落とすと、FWエジミウソンがDFと競り合い、後方の原口にボールが落ちてきた。迷わず振り抜いた右足がゴールネットを揺らす。「味方がつないでくれたゴール。味方に感謝したい気持ちでいっぱいです」と謙虚に喜んだ。

 因縁の地だった。昨年5月25日のナビスコ杯・名古屋戦。プロ公式戦デビューの舞台となったのが、ここ豊田スタジアム。そのとき、2-4と屈辱的な大敗に終わり、「去年、デビュー戦で負けて悔しかった。今回は勝ててうれしい」と期する思いがあった。

 開幕戦ではクラブ史上最年少での先発デビュー。第3節以降、リーグ戦は3試合連続の途中出場となったが、突然の交代にも素早く適応し、フィンケ監督の期待に応えた。チームも公式戦3連勝。若手とベテランの力が融合し、勢いに乗ってきた。「このままどんどん勝って、いい戦いをして次も勝ちたい」。大迫に原口。若い力が日本のサッカー界も盛り立てていく。

(文 西山紘平)

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